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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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試験用塗料の採取



【問題】
 試験用塗料を採取することは、熟練を要し、以後の試験の結果に関係する重要な問題である。試料採取に際しての要点を述べなさい。

【解答例】
 試験用塗料を製品から採取する場合、以後実施される試験の結果に影響するところが大きいので、十分な注意をもって熟練者によって行わなければならない。
 その採取に当たっては、塗料に関する安全上の問題、すなわち、引火性、有毒性、帯電性などに関する各種法令を考慮しながら、規定に従って採取することが要点となる。また、試料採取の根本的な要点を次に示す。

(1)製品の均等な混合が行われること、またその製品を代表できる試料を採取すること。このことは、製品の状態いかんにかかわらず、すべてのものに対して原則として重要なことである。
(2)製品の中身の量目不足、漏洩、異臭、変色、皮張り、ゲル化、相分離、透明性、沈殿物の状態、再分散性、マーキングの誤りなどについて調べ、記録にさらに採取時に濾過したがどうかも付記しておくこと。また採取に当たっては、チキソトロピーとゲル化の性質も理解しておかねばならない。なぜなら、チキソトロピーは、温度が一定の時かき混ぜるとゾル状になり、静止するとゲル状になるようなコロイド分散体の可逆的な性質であって、塗料の欠陥ではない。しかし、ゲル化は液状のものが不溶性のゼリー状になることで容器の中に固まり、溶剤で薄めてかき混ぜたり、練り合わせたりしても一様に戻らない状態のもので塗料欠陥である。
(3)試料採取に使用する用具および試料の保管容器は、試料を汚染したり、変質させたりしない清浄なものであること。また同時に、試料によって侵されることがないものであること。採取用具は、液状のものにはポンプサンプラーとかオイルシーフなど粒状のものにはドライヤー、固状のものにはスクリューサンプラーなどがあり、それぞれの状態に応じた採取用具を使用しなければならない。
(4)採取量は、試験に必要な量とする。
(5)採取後は、すみやかに試験場所に送らなければならない。なぜならば、水分を含むような試料の中には、温度変化の影響を受け、品質劣化しやすいものがあるからである。

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塗装下地用材としての亜鉛めっき鋼板



【問題】
 塗装下地用材として、亜鉛めっき鋼板を選定する場合、(1)~(3)の要求項目に対して、a~cの亜鉛めっき鋼板の種類の中から、優れているものの順位を記号で記し、かつ、順位をつけた理由を述べなさい。
 (1)絞り加工性 (2)塗装後の外観 (3)塗装後の耐食性
 a.電気亜鉛めっき鋼板 b.合金化処理亜鉛めっき鋼板 c.溶融亜鉛めっき鋼板
(ただし、いずれの鋼板も塗装下地用として、めっきの後処理、スパングルの調整などがなされているものであるとする。)

【解答例】
(1)絞り加工性 a>c>b
 aはめっき工程で熱履歴がなく、素地鋼板の加工性能(または機械的性質)を期待することが出来る。
 cは素地とめっき層との間に硬くてもろい合金層ができ、それが加工性に低下を及ぶす分だけaより劣る。
 bはcの合金層をめっき後の後処理により、さらに進めた状態になり、cより加工性が低下し、めっき層表面が加工により粉化してしまうことも多い。

(2)塗装後の外観 a>b>c
 aは表面が平滑に仕上がり、化成処理皮膜も均一に処理されやすく、非めっき板とほぼ同等の塗装後の外観が得られる。
 bは合金化されているため、スパングルは全く生じなく、めっきとしての表面平滑度はcより若干良い。ただし、表面はaよりポーラスとなり、塗装後の外観も劣る。
 cはスパングルの調整を行ったものでも(ゼロスパングルのもの)、合金化処理の表面と同等の状態にすることは、現状の技術ではまだ困難といえる。めっきの欠陥(湯じわなど)に合金化処理鋼板より目立ちやすい。

(3)塗装後の耐食性 c>b>a
 塗装前処理のリン酸塩皮膜、使用塗料および塗装が同じ条件であれば、亜鉛めっきの耐食性はめっき量に比例する。
 さらに、c、b、は溶融めっきでaの純亜鉛めっき層に比較し、亜鉛以外の金属を含み、その分だけ亜鉛の活性を抑えられている点で有利である。めっき量としてもcは片面で90~135g/c㎡が一般的であり、bは45~120g/c㎡、aは10~30g/c㎡が多く市場に出ている。

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塗装不良の主要因とその対策



次の塗装不良に対して、主要因と考えられる要因を3つ掲げ、その対策を述べなさい。

(1)流れ(ダレ)
 主要因としては、①シンナーの蒸発速度、②塗料粘度、③膜厚、が考えられる。
 対策としては、
 ①蒸発速度の遅いシンナーは塗膜の乾きが遅れ、流れの原因になるため、蒸発速度の速い
  シンナーに変える。
 ②シンナーを多く入れ、低粘度で塗装すると流れやすくなるため、塗料粘度を高めて流れを
  防ぐ。
 ③膜厚を必要以上に厚くしない。それでも流れる場合には、間隔を置いて2度塗りする。

(2)糸引き
 主要因としては、①シンナーの蒸発速度、②塗料粘度、③吐出量、が考えられる。
 対策としては、
 ①高速回転塗装機などでは、蒸発速度の遅いシンナーを用いないと、塗装機表面にうわ乾き
  して、糸引きの原因になる。
 ②シンナーを多くし、塗料粘度を下げて、微粒化をよくすることにより、糸引きを防ぐ。
 ③回転霧化塗装機では吐出量が少なすぎると、塗装機表面で乾いて、糸引きの原因となる。

(3)ゴミ不良
 主要因としては、①表面処理状態、②塗装ブースの排気、③塗料内の異物混入、が考えられる。
 対策としては、
 ①表面処理後の水洗不足や処理液の汚れの付着。
 ②塗装ブースの排気量を多少少なくし、ブース外からのゴミ、ほこりの流入を防ぐ。
 ③塗料調合時に容器、缶のゴミの持ち込みに注意し、濾過をする。また、運搬、保管時に
  容器に蓋をする。

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