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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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【大気特論】石炭燃焼とその装置




 石炭の燃焼方法はガス流速により、固定相燃焼、流動層燃焼、微粉炭燃焼の三つに大別されます。流動層燃焼はさらに気泡(バブリング)流動層燃焼と循環流動層燃焼に区分されます。
 固定相燃焼を代表するストーカーボイラー小規模の産業用ボイラーとして使われてきましたが、熱効率が悪く、最近は流動層燃焼ボイラーなどに置き換えられてきています。ストーカー燃焼装置は直径30mm程度までの石炭を機械的に連続して火格子上に供給して燃焼させ、灰の取り出しも連続的に行うことができる燃焼装置になります。ストーカー燃焼は、燃焼用空気を通過させる多数の隙間を持つ鋳物製などの火格子の上に固体燃料を支持し、固体炭素の表面燃焼を行い、揮発分および固定炭素の不完全燃焼で生成した一酸化炭素などを燃焼室を上昇する間に空間燃焼させる方式です。燃焼用空気は、火格子の下から一次空気を、燃焼室の適当な箇所から二次空気を送る構造となっています。燃料を火格子上で燃焼している火層の上に供給する上込め式、火層の下に押し込む方式を下込め式といいます。ストーカーの種類には散布式(スプレッダー)式ストーカー、移床式ストーカー、階段ストーカー、下込めストーカーおよび振動ストーカーがありますが、近年設置されるストーカーのほとんどは散布式ストーカーになります。
 流動層燃焼ボイラーは広範囲な炭種への燃焼適応性、低公害性などが注目され、第一次石油危機を契機に技術開発されました。当初は、気泡流動層燃焼ボイラーが普及しましたが、その後、燃焼効率、脱硫率などの面で優れている循環流動層燃焼ボイラーへと移行しました。
 流動層燃焼ボイラーは、固体粒子を多孔板上に置き、下から加圧された空気を吹き上げて粒子層を流動化させ、固体粒子を浮遊懸濁状態にして燃焼を行います。気泡流動層燃焼ボイラーで、流動層内に伝熱管を配置することで熱回収するとともに、800~900℃の低温燃焼でサーマルNOxの発生を抑制できます。循環流動層燃焼ボイラーは、高ガス流速域で操作し、粒子を強制的に循環させることで燃焼効率を上げます。そのため、高速サイクロンなどが付設されています。
 微粉炭燃焼は石炭を粉砕して極めて微細な粒子として燃焼室内に吹き込んで燃焼させるもので、ガス燃焼や油燃焼に近いです。微粉炭ボイラーは、微粉炭機や集じん装置、排煙脱硫・脱硝装置などの付帯設備が大きく、維持費もかかるという欠点もありますが、大形になると高い燃焼効率や負荷変動に対する追従の容易さなどの長所がこれらの短所を補うことから発電用ボイラーなど大形ボイラーの主流となっています。

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【大気特論】油燃焼とその装置




 液体燃料の燃焼形式は蒸発燃焼と噴霧燃焼があります。蒸発燃焼は、液体燃料が液面から蒸発して燃焼するもので、たとえば家庭用石油ストーブの燃焼は芯を用いた蒸発燃焼の例になります。噴霧燃焼は油を噴霧して微小な油滴群にしてから燃焼します。重油のような従姉梅雨は主として噴霧燃焼によりますが、噴霧の状態はその後の燃焼に大きく影響します。噴霧燃焼の過程は、すでに燃焼している火炎や炉壁などからの放射によって予熱され、さらにガス化すると同時に周囲の空気を吸引して混合気となり着火・燃焼します。
 油燃焼装置は、油バーナーのほかに燃料貯蔵タンク、給油タンク、油ろ過器、油加熱器、給油ポンプ、油圧調整弁などからなります。油バーナーのには蒸発式と噴霧式があり、多くは噴霧式になります。
 油圧式バーナーは燃料油自体を加圧して細孔から噴出させて霧化します。噴射前に渦巻室内で油に旋回を与えてから霧化します。非戻り油形と戻り油形があります。
 非戻り油形は大型ボイラーやセメントキルン用バーナーとして用いられています。戻り油形のものは供給圧力をほぼ一定にしておき、戻り油の圧力を変化させて噴射油量を変化させることができ、パッケージボイラーに多く用いられています。
 回転式バーナーは回転する霧化筒の端で油を遠心力で飛散させ、さらに高速の空気流で微粒子化する方式になります。軸の回転数は3,000~7,000min^-1程度で噴霧の角度は35~80°程度になります。比較的小型のボイラー用として多く用いられています。
 高圧気流式バーナーは、比較的高圧(100~1000kPa)の空気または蒸気の高速流によって油を霧化しています。油と噴霧流体の混合場所の違いによって、内部混合形と外部混合形があります。いずれも高圧かつ少量の噴霧媒体で十分な霧化ができます。噴霧角度は20~30°の狭角で、火炎は長炎になります。油量の調節比は1:10程度で、広範囲の調節ができます。ただし、燃焼時に騒音を発する欠点があります。
 低圧空気式バーナーは、噴霧媒体に空気を用い、バーナー入口空気圧力は通常、数kPa程度です。噴霧空気量は理論空気量の30~40%が適当で、多すぎるのは燃焼上好ましくありません。低圧空気式は容量200L/hまでで、小型の加熱炉やその他の加熱装置に用いられます。比例調節式のものは雰囲気調節を必要とする炉に用います。

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【大気特論】ガス燃焼とその装置




 気体燃料を燃焼させる方法には、あらかじめ燃料ガスと空気をよく混合させて、その混合ガスをバーナーから燃焼室内に噴出させて燃焼させる予混合燃焼の形式と、燃料(あるいは燃料に多少に一次空気を含む)と空気を別々に燃焼室内に噴出させ、拡散によって燃料と空気を混合させながら燃焼させる拡散燃焼の形式に大別されます。
 予混合燃焼のときは、噴射孔の部分に火炎面ができます。可燃性混合気は、すでに燃焼した部分から熱を受けて着火すると急激に温度が上昇し、温度の最も高い部分が火炎面(発光帯)として観察されます。火炎面はすでに燃焼している部分から未燃混合気の方にある速度で移動しますが、混合気の流速と平衡の状態にあるとあたかも静止しているようにみえます。この火炎面の速度を燃焼速度といいます。燃料と空気の混合はその割合によって燃焼しうる限界がありこれを可燃限界といいます。
 気体燃料だけをノズルから静止空気中に噴出したときは、拡散燃焼または拡散炎になります。噴出の速度が小さいときは流れが層流で、この上多の火炎を層流拡散炎といいます。噴出速度が大きくなるにしたがって不安定な過渡炎の状態を経て乱れていますが安定な乱流拡散炎の状態になります。層流域では流速の増加に比例して火炎は長くなりますが、乱流域では火炎の長さは流速に関係なく、ほぼ一定となります。気体燃料の燃焼反応は瞬間的に完了するため、燃焼装置の設計は混合装置の設計ということになります。
 気体燃料の燃焼装置を大別すると、次の三つの形式に分けられます。
(1)部分予混合形
 燃料ガスの一部を混合し、残りの空気は燃焼室内で混合するもの。
(2)完全予混合形
 燃料ガスと燃焼用空気の全量をあらかじめ混合したのち燃焼するもの。混合気流速が変わると火炎面の位置が変わる。
(3)拡散燃焼形
 燃料ガスと燃焼用空気とを燃焼室内で逐次混合させながら燃焼するもの。ガスと空気を別々に混合し、拡散混合しながら燃焼させるバーナーで、操作範囲が広く、逆火の危険性が少ないので、ボイラー用に広く使用されています。

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