忍者ブログ

塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

[PR]



×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ にほんブログ村 住まいブログ 塗装・ペンキへ にほんブログ村 環境ブログ 大気・水・土壌環境へ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村


コメント

現在、新しいコメントを受け付けない設定になっています。

電波吸収塗料



レーダ、通信、電子機器などの電波の利用が多用化するにつれて、電波障害が問題になっています。テレビの映りが悪いとか、電子機器が誤動作するなどがその例になります。
 レーダの偽像現象について説明すると、海峡部をわたる橋梁がある場合、船舶から出されたレーダが橋梁に照射し、直接反射してくる電波はレーダ映像上に実像として現れます。ところが橋梁から二次反射体に当たって反射してくる電波はあたかも別箇所からの反射波としてレーダ映像に現れることがあります。これらの偽像は受信レベルの調整で消えたり、明らかに偽造と判断される場合もありますが、他船と見誤る恐れがあります。
 このような電波障害を解決するものとして電波吸収塗料があります。
 電波吸収塗料は吸収型と整合型に分類できます。吸収型は電波のエネルギーを熱エネルギーに変換させるタイプであり、実用的な効果を得るためには電波の波長の数倍の厚膜が必要になります。整合型は照射された電波の一部は塗膜の表面で反射されますが、残りの電波は塗膜内に入り減衰しながら塗膜と部材の境界面で反射します。この表面反射波と内部反射波が逆位相で等振幅になるようにすると、互いに打ち消し合い、見かけ上電波を吸収した状態になります。したがって、整合型は吸収型に比べて塗膜の厚さを薄くすることができる特長があります。
 電波を吸収する特性を出すためには、塗膜に導電率、誘電損失、磁性損失の大きい性質を与えてやることが必要です。導電率を高める物質としては、カーボンブラックやグラファイト、磁性損失を大きくする物質としては、フェライトなどがあります。電波吸収塗料はこれらの物質をエポキシ等のマトリックス樹脂と混合して製造されています。塗料で数ミリ以上の厚膜に塗装することは難しいので、吸収型よりも整合型の研究が多く行われています。整合型の欠点は電波吸収性能が膜厚に依存することです。このため膜厚許容幅を大きくする組成面からの研究と塗装管理技術」の向上が今後の課題です。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ にほんブログ村 住まいブログ 塗装・ペンキへ にほんブログ村 環境ブログ 大気・水・土壌環境へ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村


コメント

現在、新しいコメントを受け付けない設定になっています。

広告リンク

ブログ内検索

忍者AdMax

楽天市場

ランキング

ランキング