住宅外装に使用されるプレコート鋼板は亜鉛系、アルミニウム系もしくはその合金系の溶融亜鉛めっきを施した表面処理鋼板基材の両面の10から20ミクロン程度の塗膜が塗装された使用が一般的です。
プレコート鋼板の表面は塗装前処理が施された基材面上に下塗塗膜と上塗塗膜が施された2層からなっています。一方、裏面はサービスコートと呼ばれる表面より薄い膜厚の仕様で1層の場合と2層の場合があります。
表面の下塗り塗膜には密着性及び耐食性とコストのバランスからエポキシ樹脂系が選択されるケースが多いですが、加工性を重視した仕様ではポリエステル樹種系が選択される場合もあります。また、耐食性向上のためにクロメート系の防錆顔料が配合されるのが一般的です。上塗り塗膜には耐候性、加工性、耐傷付き性などを考慮し選択されます。コストとのバランスからポリエステル樹脂系が選択されるケースが多いですが、耐候性を重視しフッ素樹脂系が選択されることも増えています。また厚膜や溶着が可能な塩化ビニル樹脂系が選択されることもあります。
裏面は2層の場合、下塗り塗膜は表面と同様に防錆顔料を含んだエポキシ樹脂系が、上塗り塗膜は分子量の低いポリエステル樹脂系が選択される場合が多いです。2層を選択する理由は切断端面部などの耐食性を向上させるためです。
塗装前処理は、ほとんどがクロメート処理となっています。
プレコート鋼板の製造設備は2コート2ベークの連続製造ラインが主流です。塗装前処理の塗布型クロメート処理や塗料の塗装にはロールコーター方式が多く採用され、焼き付けには熱風炉が多く用いられています。