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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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【熱媒体】日常の管理




 本来、熱媒体は使用条件による寿命の長短はありますが、劣化を伴うものです。熱劣化、酸化劣化等により、長期の使用により分解や重合を起こします。
 劣化度合によっては系内でスラッジ化し、配管内面をコーキング化する場合があり、これらの劣化状況を把握することが重要になります。
 熱媒体メーカーによっては有償あるいは無償で劣化分析を行い、アドバイスするところもありますので、1年に1~2回劣化試験を行い、劣化の傾向を把握します。サンプルは1000mL程度を要しますが、サンプリング時に注意したいことは、十分に鼻切りを行った後のものをサンプルとすることです。抜き出しノズルやバルブに滞留しているものを評価しても系内の熱媒体を反映しないためです。
 一般的に、熱媒体の更新は定修期間を利用して行うこととなりますが、定修時期の半年くらい前には劣化試験を行い、更新の必要性の有無を確認したいところです。
 熱媒体は、プラントの建設等では比較的軽視されがちではありますが、設備の動脈であり、選定および日常の管理は、安定操業の重要な一因となりますので、注目していただきたいところです。

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【熱媒体】劣化について




 一般に有機化合物は、ある温度に達すると分解や重合が起こり始め、低沸点物質や高沸点物質の生成が始まります。さらに温度が上がることによってこれらの反応は加速度的に激しくなり、ガス成分やカーボンの生成が起こります。熱媒体も同様ではありますが、一般の有機化合物に比べて熱安定性を保てる化学構造となっています。また熱以外にも、高温で空気(酸素)に触れることによって酸化反応を起こし、劣化開始温度の低下や劣化速度の増大の原因となります。これは、不活性ガス(一般的には窒素)でシールすることによって最小限にとどめることが出来ます。
 熱劣化に関しては、3段階の過程があります。
(1)一般的に使用前は、淡色透明な液体でありますが加熱によって暗色不透明になってきます。
(2)分解による低分子化された化合物の生成、重合による高分子化された化合物の生成が起こります。この段階では、低分子化合物はガスとして脱気処理できます。また、高分子化合物は熱媒体の液中に溶解しており、操業には大きな影響は与えません。
(3)高分子化合物が、炭化反応を起こしカーボンとガスの発生が起こります。これは、劣化によって生成して高沸点物(高分子化合物)が、比較的低沸点物の気化したところに残留し、熱によって炭化を促進すると考えられます。こうなると伝熱効率が悪くなり、ボイラ温度を上げなければ目的温度が得られなくなります。ボイラ温度を上げることにより炭化温度はさらに上がります。炭化が始まるとこのように操業に影響を与え、劣化度合によっては配管等の洗浄が必要になってきます。
 熱および酸化以外にも、異物混入による劣化もあります。非加熱物や配管等の鉄さび、それ以外の物質が、熱媒体の中に混入することによって、熱媒体の分解・重合に対し触媒作用を起こし、劣化が促進される場合があります。また、直接熱媒体と反応して分解・重合したり、熱媒体の特性を変化させ、加熱システムが運転不能になる場合もあります。異物混入による劣化を防ぐためには、熱交換器やジャケットの割れ等の点検、熱膨張槽のオイルシール、運転開始後のフランジ部分の増し締め、修理後の溶接かす、泥等が系内に残らないように洗浄する、低沸点の洗浄油を用いた場合には最後に、使用する熱媒体と同じもので共洗いする等の十分な工場管理が必要です。

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【熱媒体】使用上の注意点




 熱媒体の使用装置系内の挿入に関しては、昇温により体積膨張しますので装入量は余裕を持つ必要があります。
 また、プラント建設時に、漏れ等チェックするため、水運転するケースが多いですが、装置系内に水分や空気、分解低沸点物が存在すると、装置の立ち上げ(昇温)時に突沸や圧力異常を示し、棄権であると共に、熱媒体の劣化を促進します。昇温時、100℃前後で一旦ホールドし、水分を除きます。そのために、装置の上部に膨張槽を設け、脱気、脱水の操作ができるようにするとよいでしょう。また、酸化劣化を防止するために窒素などで不活性ガスシールします。
 定常運転を行う際、定期的に温度と蒸気圧を測定し、蒸気圧曲線から外れてくれば、ガス抜きを行い、温度と蒸気圧の関係を正常に保ちます。
 長時間の設備停止(定修等)時に注意しなければならないことは、凝固点の高い熱媒体を使用している場合に配管等を保温し固化しないようにするか、配管内の熱媒体をすべて貯槽等に抜き落とし、凝固に備えることです。

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