熱媒体の使用装置系内の挿入に関しては、昇温により体積膨張しますので装入量は余裕を持つ必要があります。
また、プラント建設時に、漏れ等チェックするため、水運転するケースが多いですが、装置系内に水分や空気、分解低沸点物が存在すると、装置の立ち上げ(昇温)時に突沸や圧力異常を示し、棄権であると共に、熱媒体の劣化を促進します。昇温時、100℃前後で一旦ホールドし、水分を除きます。そのために、装置の上部に膨張槽を設け、脱気、脱水の操作ができるようにするとよいでしょう。また、酸化劣化を防止するために窒素などで不活性ガスシールします。
定常運転を行う際、定期的に温度と蒸気圧を測定し、蒸気圧曲線から外れてくれば、ガス抜きを行い、温度と蒸気圧の関係を正常に保ちます。
長時間の設備停止(定修等)時に注意しなければならないことは、凝固点の高い熱媒体を使用している場合に配管等を保温し固化しないようにするか、配管内の熱媒体をすべて貯槽等に抜き落とし、凝固に備えることです。