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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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各種アルキド樹脂:脂肪酸変性アルキド樹脂



多塩基酸と多価アルコールのみからなるアルキド樹脂は硬くて脆いという特徴があります。また、樹脂は溶剤に溶けにくいという欠点を持っています。多塩基酸の一部をあまに油などの乾性油脂肪酸で置き換え変性することによって、溶剤に溶けやすい塗料用としての特性を付与することが出来ます。アルキド樹脂は、骨格をなす多塩基酸と多価アルコールとの種類、組み合わせによっても特性が変わってきますが、変性する脂肪酸(油)の種類および量の多少によって多種多様の樹脂を生成します。樹脂中の脂肪酸(油)の量の多少を表わすのに、長油性、中油性、短油性など、油長を以て呼称します。油長の長短は、アルキド樹脂中の脂肪酸がグリセリンと反応して、脂肪酸トリグリセライドが樹脂中に占める重量百分率で示し、分類されます。
 脂肪酸の量が多くなるにしたがって溶剤に対する溶解性が増し、脂肪族(ミネラルスピリット)だけでも溶けますが、脂肪酸の量が少なくなると芳香族炭化水素系溶剤(キシロール)を用いなければ溶けなくなります。また、脂肪酸量が多くなるほど同一濃度の場合粘度が低くなり、同一粘度の場合は高揮発分となります。塗膜性能も油長が長くなるに従い、硬度は低くなり、光沢も少なくなります。耐候性はある程度長油性のものが良いです。

(1)長短油性(油長35%以下)
 長油性アルキド樹脂の硬度付与剤、アミノ樹脂やニトロセルロースと併用されます。
(2)短油性(油長35~45%)
 加熱乾燥用に向くアミノ樹脂は、ニトロセルロースと併用されます。油量が少ないのでほとんど空気乾燥しないため、アミノ樹脂との組み合わせで加熱乾燥仕上げの自動車用エナメルに用いられます。
(3)中油性(油長45~55%)
 最も広範囲な用途に用いられます。加熱乾燥させるとさらに性能が向上し、種類によってはメラミン樹脂を20%まで添加することが出来ます。しかも変性脂肪酸(油)量によっては空気乾燥します。
(4)長油性(油長55~65%)
 空気乾燥性であり、かつ屈曲性が優れているので自然乾燥用塗料として用いられます。

 また、変性する脂肪酸(油)の量によって、アルキド樹脂の性能が異なります。すなわち、きり油、あまに油、大豆油、サフラワー油などの乾性油(不飽和脂肪酸)で変性されたものは、油長により空気乾燥するもの、または加熱乾燥し、保色性、付着性、耐候性などに優れた塗膜を形成します。ひまし油ややし油などの不乾性油(飽和脂肪酸)で変性されたアルキド樹脂は、、常温では乾燥しないで、いつまでも軟粘性を持っており、短油性樹脂としてメラミン樹脂と併用して加熱乾燥型塗料に用いられる他、ニトロセルロース塗料の付着性、耐候性などの性能向上に用いられます。

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各種アルキド樹脂:純粋アルキド樹脂



代表的なものは、無水フタル酸とグリセリンとの縮合物で、硬く脆い樹脂でアセトンには溶解しますが、石油系溶剤には不溶です。この樹脂を主体とした塗料は保色性、耐油性、耐熱性に優れていますが、酸価が高いため耐水性が悪いです。

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アルキド樹脂塗料の概要



アルキド樹脂塗料とは、油溶性アルキド樹脂塗料を、トルオール、キシロール、ナフサ、ミネラルスピット、あるいはテレピン油などの溶剤に溶かしてワニスを作り、これを展色材として、顔料、乾燥剤、流れ止め剤などを練り合わせ、混合して調整されて塗料になります。
 アルキド樹脂とは、無水フタル酸、マレイン酸などの多塩基酸とグリセリンやペンタエリストールなどの多価アルコールとの縮合によって出来る樹脂の総称で、アルキドという言葉は1927年にR.H.Kienleによって名付けられたものであり、AlcoholのAlとAcidのcidを組み合わせてAlkyd(アルキド)としたものです。このうち多塩基酸として無水フタル酸を用いた樹脂をフタル酸樹脂といいます。多価アルコールとしては、グリセリンが多く用いられ、無水フタル酸とグリセリンとを加熱して出来たフタル酸樹脂は溶解性が悪く、耐水性も弱いので塗料用としては使用できません。したがって、フタル酸樹脂を脂肪酸、ロジン、フェノール樹脂などで変性して、油溶性樹脂として塗料用に用いたり、スチレンで変性して、スチレン化アルキド樹脂として油溶性にするなどにより塗料用とします。アルキド樹脂の優れた点は、塗装作業性が良く、塗膜は光沢、肉持ちが良く、付着性、防食性、耐候性などの性能において調和が取れている点にあります。

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