《ウォータージェット》
水の噴射エネルギーを活用するウォータージェット技術は、幅広い産業分野に浸透しています。この技術は「洗浄技術」「切断技術」「加圧技術」に大別されています。超高圧・超高速で水を噴射し、その衝撃エネルギーで洗浄・切断を行います。
「洗浄技術」の特性は、①材質・形状を問わない―被洗浄物が水にぬれてよい物であれば材質を問わず洗浄ができます。複雑な形状のものや深い穴部でのごみや汚れの除去が可能になります。②傷がつかない―水を当てて、スケールを除去するので、機械的方法、化学的方法のように被洗浄物の表面を傷つけることがありません。③自動化が容易―ノズルと被洗浄物は非接触であり、離れた位置から洗浄でき、洗浄装置の自動化が容易になります。—など高圧洗浄が持つ特性に加え水の衝撃エネルギーを活用、微細なバリを除去するタイプの装置もあります。
このように、ウォータージェット技術とは、50~5000kgf/㎝^2に加圧しノズルから高速で水を加工物にぶつけ、その噴射エネルギーを洗浄・切断・剥離作用に活用しています。
《ウォータージェットの用途例》
高圧水を発生させるポンプは高精度定吐出量で2000kgf/㎝^2の高圧力が得られる横型三連プランジャーポンプを開発し、用いられています。駆動源はモーターとエンジンの両タイプがあり、馬力は7.5kW~300kWまでをシリーズ化しています。洗浄度の決め手となるのはノズルであり、ウォーターノズル、噴射ノズル、平射ノズル、ランス用ノズル、ホース用ノズル、自動回転ノズル等があり、洗浄対象物によって選択します。単に水のみのジェット洗浄だけでなく、研磨剤を混入させるアタッチメントも開発されています。
(1)ジェットマシン
自動車部品、電気部品、油圧機器部品、その他部品の機械加工バリ・タップ穴の切粉・研磨砥粒その他付着物をほとんど完全に除去する自動装置であります。ワーク搬送方式によりトランスファータイプ、シャートルタイプ、インデックスタイプがあります。噴射圧力は、バリ取りで300~800kgf/㎝^2、洗浄で100~500kgf/㎝^2になります。
(2)電子部品洗浄装置
ハードディスクドライブ、電極盤などの洗浄およびICリードフレームのレジンラッシュ、ダムバリなどを除去する自動洗浄装置になります。
(3)スクリュー洗浄機
スクリュー、ローラ、シャストなどの長尺物の自動洗浄装置になります。
(4)熱交換器洗浄装置
熱交換器のチューブ内外面を自動洗浄する装置になります。
(5)スライドランス装置
重合槽、反応槽内面をあらかじめ設定した洗浄ポイントに自動回転ノズルがプログラムどおりに槽内を移動し洗浄する自動装置になります。
(6)ハイジェットガン
500~2000kgf/㎝^2のウォータージェットでマルチノズルヘッドが回転して洗う、剥がす、はつり作業ができ、パイプ、タンクなどの強固な付着物除去、コンクリート構築物の研掃等ができるウォータージェットガンになります。
ここまでは主にウォータージェットとその洗浄用途について述べてきましたが、ここからは
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