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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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金属被覆について~メッキング&サビトリキングの紹介



《金属被覆》

 鉄やその他金属を被覆したものは、我々の身の回りに数多く見られます。このような金属被覆は主として屋内外での防錆防食を目的とするものが多いですが、装飾性、硬度、耐摩耗性、はんだ付け性向上や電気的特性の付与など素地金属にない機能・特性を付与するためになど他の防錆防食技術と複合して利用されることも多いです。
 金属被覆は通常、処理方法によって分類されていますが、防錆防食の原理・機構からの分類も行われています。

《金属被覆の腐食、耐食性》

 金属被覆した時の腐食の進み方は、被覆した金属自体の耐食性に依存するとともに、素地と被覆金属との間での電気化学的性質によっても影響を受けます。本来異種金属との接触は電位差を生ずるため防錆防食上は好ましくないことです。この原理を逆に利用して犠牲アノードとして働く金属を被覆し、その溶解による防食電流により素地金属を防錆防食しようという方法、および完全な被覆を行って環境と素地金属との間を遮断する方法とに大別されます。またこの両者を組み合わせた方法、例えば二重ニッケルめっきや各種合金めっきなどがあります。

《犠牲アノード型被覆》

 鉄素地上への亜鉛被覆やアルミニウム被覆が代表的な例として挙げられます。
 これらの被覆にピンホールなどの欠陥があった場合でも、亜鉛やアルミニウムは鉄に対してアノードになって溶解し、鉄素地はカソードとなって防食されます。亜鉛めっき鋼板ではその切断の端面に亜鉛が幾分かぶってくるとともに、この犠牲防食作用によって切断面を有効に防食することができます。
 この型の被覆では、ピンホールなどの被覆層の欠陥部(鉄素地が露出)において、はじめは被覆層の横方向に腐食が進行しますが、ある程度鉄素地が露出すると電気化学的防食作用が及ばなくなり、素地においても発錆してしまうこととなります。したがって、防錆力を持続する能力は被覆金属の厚さ(付着量)に依存しているといえます。
 このような電気化学的防食作用は環境条件によって左右され、大気中でも水と酸素が存在する、あるいは海水などの電解液中において亜鉛やアルミニウムが溶解して初めて鉄の腐食が抑制されます。アルミニウムはそのアノード分極が大きいため、ピンホールや切断面での防食作用は亜鉛に比べて劣っています。また、亜鉛でも特殊な環境下、例えば溶存酸素を十分含んだ60℃以上の淡水中では、鉄に対してカソードとなり、極性が逆転する現象を起こします。

《バリアー型被覆》

 素地金属より貴な金属。例えば鉄素地に対するCu、Ni、Cr、Pb、Sn、Ag、Auなどを被覆する場合には、完全に欠陥のない被覆を行えば、より貴な金属表面の耐食性を得ることができます。しかし、ピンホールなどの局部的な欠陥があると、この部分で露出した素地金属がアノードとなり、被覆金属がカソードとなります。アノードとなる素地表面の面積が小さく、カソード面の面積が大きいため、素地金属の腐食電流密度が非常に高くなり、局部腐食が促進されることとなります。
 例えば、ピンホール部から鉄が溶解してめっき皮膜へ防食電流を供給しながら、さらにめっき皮膜下をはうように横方向に腐食が進行していき、最後はめっき層の剥離にまで至ります。

《複合型被覆》

 これは先ほどの防食作用を組み合わせることによって防錆防食効果を得ようとする方式になります。例えば二重ニッケルめっきのようなものになります。二重ニッケルめっきは下層に硫黄を含まない無光沢ニッケルめっきあるいは硫黄の少ない(S<0.005%)半光沢めっきをし、その上に硫黄含有率の高い光沢ニッケルめっき(S>0.04%)を施します。腐食環境において最上層のクロムめっきの欠陥から生じた光沢ニッケルめっきはアノードとなって腐食は横方向へ拡がり、下層の無光沢、半光沢めっき層は硫黄含有率の差からカソードとなって腐食が抑制され、これによってその下の鉄素地を防食することとなります。
 このほか、Zn-NI合金系とZn-Fe合金系の多層めっきも複合型被覆といえます。

 以上のように、金属被覆による防錆防食を検討する場合、素地と被覆金属との関係について特に電気化学的な考慮が必要といえます。

メッキング&サビトリキングのご紹介》

 ここまで、金属被覆とその種類について述べてきましたが、めっきに対して非常に効果の高いメッキ保護材取り剤、メッキング&サビトリキングについてご紹介いたします。




 こちらの商品の開発の経緯として、めっきはどうしても経年劣化等でくすみ、錆が出てしまうことから、「めっきの輝きを取り戻す方法はないのか?」などのお声を頂き、5年の歳月を掛け開発したのが「メッキング&サビトリキング」です。
 メッキング&サビトリキングをご利用頂くメリットとして、どんなにくすんだめっきや錆びためっきでも、ピカピカの元通りになります。それだけではなく、コーティング効果も兼ねているため、汚れが付きにくくなり(防汚効果)、輝きも長く持続します。
 対象となるユーザー様としては、旧車やアメ車、カスタムカー、トラック、バイク、などパーツにめっきを使われている方はもちろんのこと、アクセサリーや時計、台所回りなど、屋内・家庭内で使用されるめっき製品でも、その威力を十二分に発揮します。

 この機会に、メッキング&サビトリキングが必要だ!という方は下のバナーから是非お求めください!

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アルミニウム合金とクロムメッキ~メッキングの紹介



《アルミニウム合金の大気腐食》

 アルミニウム合金は大気中で容易に酸化して緻密な酸化皮膜を形成しますので、大気環境での耐食性は良好です。この酸化皮膜の性質はステンレス鋼の不働態皮膜に類似していますが、破壊された場合の自己修復はステンレス鋼の場合より若干時間がかかります。
 アルミニウム合金の大気腐食は、孔食と全面腐食及び両者共存形の3タイプの腐食形態を呈します。全面腐食は限られた環境条件下で発生し、ほとんどの場合孔食が発生します。また、合金の種類によっては層状腐食を起こします。この層状腐食はAl-Cu、Al-Zn-Mg及びAl-Zn-Cu系合金にみられます。全面腐食は工場地帯で多く発生します。その原因は工場などからの排出ガス中の成分(フッ化物など)に影響されると考えられますが明確ではありません。全面腐食の場合孔食の発生は少ないです。アルミニウム合金の耐候性は、合金の種類によって若干差があります(Al-Cu系合金の耐候性が比較的悪い)が、曝露された大気条件によって大きな影響を受けます。SO2やダストの多い工業地帯、海塩粒子の多い海岸地帯、両地帯の大気条件を併せ持つ臨海工業地帯はアルミニウム合金にとっては過酷な環境であり、激しい腐食を引き起こします。
 アルミニウム合金は、一般的な工業材料である鉄鋼や銅、ステンレス鋼などに比して非常に電位が卑な金属でありますので、異種金属との接触により激しい腐食を起こす場合があります。特に鉄鋼または同と直接接触している周辺部は、アルミニウムがアノード、鉄鋼または銅がカソードとなって、アルミニウム合金が溶解し、激しく腐食して短期間に貫通孔を生じる場合があるので注意を要します。
 大気環境でのアルミニウム合金は、大気腐食による機械的特性の低下は小さく問題は少ないですが、表面は灰色に変化し、工場地帯、都市などばい煙の多い環境では短期間で黒色味を帯びてくるとともに、ダストなど汚れの付着、腐食生成物などにより外観劣化の問題を生じます。そのため裸で使用される場合は少なく、陽極酸化処理(通称アルマイト処理)、塗装など表面処理した材料が実用化されています。特にアルミサッシなどの建材用途には9μm以上の陽極酸化皮膜、またはその上に7μm以上のクリアー塗装あるいは白色塗装を施した陽極酸化複合皮膜処理が行われ、耐候性は非常に優れています。

《クロムメッキについて》

 クロムメッキは大気中で曇ったり変色したりせず金属光沢を保ち、また非常に硬くて(ビッカース硬度800~1000)耐摩耗性が優れています。クロムメッキはその用途によって装飾用クロムと工業用クロム(耐摩耗用)に大別されますが、両者とも浴組成、めっき条件に本質的な違いはなく、そのめっき厚が異なるだけになります。
 一般装飾用のクロムメッキは光沢ニッケルめっきの上層にめっきされ、めっき厚もJISで0.25μmと決められており、薄いものになります。これに対し、工業用クロムメッキは、通常10μmから50μmの厚さのものが一般的になります。
 めっき浴としては、サージェント浴、ケイフッ化物浴とが主流になります。
 サージェント浴は無水クロム酸と硫酸からなる浴で、無水クロム酸は50~500g/Ⅼの広い範囲で使用できます。硫酸は無水クロム酸の1/80~1/200くらいの量で用いられますが、一般には1/100になります。アノードとしては、鉛合金系の不溶性のアノードが用いられます。
 フッ化物浴はサージェント浴に比べて電流効率が高く、光沢範囲が広いなどの利点がありますが、排水処理の問題やフッ化物による浴の腐食性の問題などがあります。
 JIS H 8615 (工業用クロムめっき)に規定があります。

【ベンツ用メッキング】の紹介》

 ここまで、アルミニウム合金の大気腐食とクロムメッキについて述べてきましたが、アルミニウム合金の腐食防止コーティングとして非常に優秀な【ベンツ用メッキング】についてご紹介させていただきたいと思います。 



 ベンツオーナーの皆様、メッキモールって、実はクロムメッキではなく、アルマイトメッキだということはご存知でしたか?
 残念ながらこれでは湿度の高いの日本の気候では早い段階で腐食してしまいます。さらに、一度腐食すると化学的にで落とす事が難しく、コンパウンドで(物理的に)削って落とすしか方法がなく、かなり厄介です。
 そこで、新車購入時・メッキモールが綺麗なうちにメッキングでコーティングしてしまう事こそが最大の解決策になります。
 もちろんクロムメッキパーツ部分にも使用できますので、クロムメッキ・アルマイトメッキの多い愛車ベンツには使用していただきたい史上"最鏡"ケミカルです!

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潤滑油について



《潤滑油について》

 潤滑油は基油(ベースオイル)と種々の機能を持つ添加剤から成り立っています。機械や自動車の発展に伴って、おもに摩擦や摩耗の制御といった、潤滑油への要求を満たすために、いろいろな潤滑油添加剤が開発され、配合されています。

《ベースオイル(基油)について》

 PAOはポリアルファオレフィンの略で、アルファオレフィンを重合したのち水素化処理して造る合成潤滑油です。PAOの特性として挙げられるのは、高い粘度指数、優れたせん断安定性・低音起動性、硫黄や窒素といった不純物を含まないこと、熱や酸化安定性が良好であること、トラクション係数が低く,省エネルギ化が期待できること、分子構造が均一なため蒸発損失が少ない利点があること、良好な水分離性、化学的に安定で熱伝導率が高い特性もあること、ということで枚挙に遑がありません。
 PAOを使用する上での注意点としては、添加剤の溶解性が問題になることがあるため、その対応が必要になります。また、工業用としては、鉱油に比べイニシャルコストが高いことから普及しにくい面はあります。しかしながら、PAOの特性を十分活用すれば長寿命化によるメンテナンスコストの低減(省力化)、省エネルギー等によってトータルコストが削減でき、イニシャルコストを十分にカバーすることができるでしょう。
 一方、ポリオールエステル(POE)は、潤滑性、耐熱性、低温流動性、難燃性、生分解性に優れていることから、わが国においても環境問題対応潤滑油基油として過去20年間に飛躍的に増加しています。POEは鉱物油系などの潤滑油に添加・使用することで、潤滑性の向上を図ることができますが、鉱物油系に比べると高価であり、エステル結合を有することからに加水分解を起こしやすくさらに、鉱物油よりも極性が高いために鉱物油が用いられる用途にそのまま使うとシール材等の樹脂材料との不適合性や添加剤の選択の難しさ、高吸湿性などの問題があります。
 しかしながら、次世代の自動車エンジンとして研究されているセラミックガスタービンエンジンのエンジン油として、POEが評価されてきています。このタービンは高温・高速で回転し、高効率、省燃費が得られますが、従来の潤滑油では耐熱性、耐摩耗性、極圧性の面から使用が極めて難しく、短鎖脂肪酸POEは、これに耐えうるものとして候補に挙がっています。

《添加剤について》

 まず挙げられるのが清浄分散剤で、これはエンジンなどの高温運転で生成する有害なスラッジを金属表面から除去し、スラッジ・プリカーサーを化学的に中和し、エンジン内部を清浄にする働きがあります。代表的な化合物としては、スルホネートやサリシレートの金属塩が挙げられます。
 また、摩擦や摩耗を制御する役割のある添加剤として油性剤や極圧剤と呼ばれる添加剤があります。油性剤には、高級カルボン酸、高級アルコールなど、極圧剤にはリン、硫黄、塩素といった化合物になります。触媒の世界では“触媒毒”と呼ばれるような元素や化合物が潤滑の世界では非常に高い効果を発揮します。

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