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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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潤滑油について



《潤滑油について》

 潤滑油は基油(ベースオイル)と種々の機能を持つ添加剤から成り立っています。機械や自動車の発展に伴って、おもに摩擦や摩耗の制御といった、潤滑油への要求を満たすために、いろいろな潤滑油添加剤が開発され、配合されています。

《ベースオイル(基油)について》

 PAOはポリアルファオレフィンの略で、アルファオレフィンを重合したのち水素化処理して造る合成潤滑油です。PAOの特性として挙げられるのは、高い粘度指数、優れたせん断安定性・低音起動性、硫黄や窒素といった不純物を含まないこと、熱や酸化安定性が良好であること、トラクション係数が低く,省エネルギ化が期待できること、分子構造が均一なため蒸発損失が少ない利点があること、良好な水分離性、化学的に安定で熱伝導率が高い特性もあること、ということで枚挙に遑がありません。
 PAOを使用する上での注意点としては、添加剤の溶解性が問題になることがあるため、その対応が必要になります。また、工業用としては、鉱油に比べイニシャルコストが高いことから普及しにくい面はあります。しかしながら、PAOの特性を十分活用すれば長寿命化によるメンテナンスコストの低減(省力化)、省エネルギー等によってトータルコストが削減でき、イニシャルコストを十分にカバーすることができるでしょう。
 一方、ポリオールエステル(POE)は、潤滑性、耐熱性、低温流動性、難燃性、生分解性に優れていることから、わが国においても環境問題対応潤滑油基油として過去20年間に飛躍的に増加しています。POEは鉱物油系などの潤滑油に添加・使用することで、潤滑性の向上を図ることができますが、鉱物油系に比べると高価であり、エステル結合を有することからに加水分解を起こしやすくさらに、鉱物油よりも極性が高いために鉱物油が用いられる用途にそのまま使うとシール材等の樹脂材料との不適合性や添加剤の選択の難しさ、高吸湿性などの問題があります。
 しかしながら、次世代の自動車エンジンとして研究されているセラミックガスタービンエンジンのエンジン油として、POEが評価されてきています。このタービンは高温・高速で回転し、高効率、省燃費が得られますが、従来の潤滑油では耐熱性、耐摩耗性、極圧性の面から使用が極めて難しく、短鎖脂肪酸POEは、これに耐えうるものとして候補に挙がっています。

《添加剤について》

 まず挙げられるのが清浄分散剤で、これはエンジンなどの高温運転で生成する有害なスラッジを金属表面から除去し、スラッジ・プリカーサーを化学的に中和し、エンジン内部を清浄にする働きがあります。代表的な化合物としては、スルホネートやサリシレートの金属塩が挙げられます。
 また、摩擦や摩耗を制御する役割のある添加剤として油性剤や極圧剤と呼ばれる添加剤があります。油性剤には、高級カルボン酸、高級アルコールなど、極圧剤にはリン、硫黄、塩素といった化合物になります。触媒の世界では“触媒毒”と呼ばれるような元素や化合物が潤滑の世界では非常に高い効果を発揮します。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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