《はじめに》
各前処理工程の省エネルギー対策としての低温化処理については様々ありますが、ここでは装置も含めた省エネルギーについて述べたいと思います。前処理の方法としてスプレー法と浸漬法がありますが、浸漬法はスプレー法と比較して燃費は40~60%で済み、用途によっては装置的な改良も含め非常に効率的で近年見直されてきています。またスプレー法では、脱脂→水洗→皮膜化成→水洗のように加温と冷却の繰り返しにより、熱エネルギーを空気中および水洗水中に放出しています。脱脂と皮膜を一工程で行うことができるなら熱エネルギーとしては半分近くになります。リン酸鉄皮膜で可能であり、数多くのラインがありますが、リン酸亜鉛皮膜ではまだ数が少ないのが現状です。これは安定性に問題があるためと考えられます。
《保温剤による対策》
タンクおよびスプレーブース壁からの放熱対策として断熱材を使用することが望ましいと考えられています。断熱材が全くない場合、50~60℃の使用温度で1時間(放熱面積1㎡あたり)、約100kcal、放熱しますが、25ミリで約40kcal、50ミリで20kcalになります。保温としては50ミリ以上にすることがよいといえます。