リン酸鉄皮膜の生成皮膜は、リン酸鉄と酸化鉄の混合物になります。浸漬法における低温下(30℃以下)の皮膜中にはモリブデン酸鉄の皮膜が混合されることもあります。一般には低温化した場合にリン酸鉄と酸化鉄の混合比率が変わり、酸化鉄皮膜が多くなってきます。耐食性ということからは、リン酸鉄皮膜の含有率の高いほどよい結果となります。リン酸鉄皮膜の処理は、通常リン酸亜鉛皮膜に比べて管理が容易であるとされています。そのために素地金属に化成された皮膜の色で化成処理状態を判断しがちになってしまいます。低温化処理した場合の問題としては素地金属に対してエッチングが行われ化成処理皮膜が生成しているかということであります。一番悪い状態では皮膜の上にセロハンテープを付着させ剥がすと、化成皮膜が金属から剥がれてしまうことがあります。スプレー法、浸漬法共に低温化の処理(常温使用も)が行われています。