マグネシウム合金の成形加工法としては、ダイカスト法、チクソモールド法、が主流となっていますが、最近ではプレスフォージング法が注目されてきています。
ダイカスト法、チクソモールド法の成形プロセスは、溶融または半溶融のマグネシウム合金を高圧・高速で金型内に射出する方法であり、温度・圧力・流動挙動の制御などが重要で、成形品の金属組成・断面組成構造・結晶構造・表面品質などの均一性・再現性を得るためには、金型設計・成形条件設定などが重要になってきます。
現在、マグネシウム合金成形品の薄肉形成ができ注目されていますが、品質レベルでの問題点は次のような点が挙げられています。
・金属組成のばらつき……ロット間だけでなく同一製品の中でも化学的・物理的に不均一である。
・表面欠陥……湯ジワ、巣、クラック、ワレ、ヘコミなど
・成形品への巻き込み物……離型剤、切削油、酸化物など
このような問題点が、塗膜の付着不良、塗装外観不良などの悪影響を及ぼします。
一方、プレスフォージングは300℃以上に加熱したマグネシウム合金板をつぶして鍛造すると同時に、絞り・曲げなどのプレス成形を行う方法で、次のような特徴があります。
・機械的性質に優れている。
(ダイカスト品と比べて引張強度1.3倍、耐力約1.5倍、伸び約2.5倍)
・シャープな形状が得られ、表面肌が美麗で質感がある。
・成形時間が短縮できる(ダイカストに比べ約1/2)
・湯ジワがなく、酸化物・ガスの混入がない(歩留95%以上)
このような特徴があり、注目されている成形方法ではありますが、材料コストが高くなってしまいます。