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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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重合(polymerization)




 天然の高分子物質のうちセルロース、ゴムなどや、合成高分子物質のすべては小さい化学的集団の単位(単位化合物)の繰り返しによってできています。この単位化合物を単量体(モノマー:monomer)とよび、この単量体が二分子以上結合して高分子物質を作っています。このときできあがった高分子を重合体(ポリマー:polymer)といい、また重合体を構成している単量体の数を重合度とも呼んでいます。重合とは、この重合体を作り上げる反応を総称しています。
 重合には、付加重合、水素移動重合、脱離重合があります。
 付加重合とは、単量体の組成式と構造が繰り返し単位としてそのまま現れて重合体を生成する反応です。このとき重合体を支配する原動力がラジカル(フリーラジカル、遊離基ともいう)のときラジカル重合といい、イオンの時はイオン重合になります。環化重合、開環重合は付加重合の一種になります。
 水素移動重合は、単量体の組成式は重合体の繰り返し単位と変わりませんが、水素原子の移動の起こっているような重合になります。水素原子の分子内移動による分子内異性化と連鎖成長反応が交互に進みます。カチオン重合およびアニオン重合の特殊な場合として現れます。また、ポリウレタンを作る反応は水素移動共重合で、重付加ともいわれています。
 脱離重合は単量体組成から分子が脱離して重合体になっていく重合例になります。重縮合や付加重合は脱離重合の一種です。

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シリコーン油の応用~信越化学工業(株)製品の紹介



《シリコーン油の応用》

1.潤滑剤としての応用

 シリコーン油はある種の金属やプラスチックスに対して良好な潤滑性を示し、steel-steel間の様にそのままでは難しくても油性向上剤の添加によって潤滑性状がある程度改善されるので、特に耐熱性を要求される用途の潤滑に好んで使用されています。たとえば電動機精密機械・速度計・含浸用青銅有孔ベアリング穿孔機粉細機などの潤滑またプラスチックス工業などにおける押出口の潤滑剤として適用されます。米国においては航空機用不凍潤滑油として軍事に使用され、その特徴を発揮しているとのことです。シリコーン油の潤滑性状は従来若干過大評価されていた感がありますが、適当な添加剤の発見や油の構造を工夫することによって鉱油系のものに匹敵する性状を求めることも夢ではないでしょう。

2.添加剤としての応用

 シリコーン油は塗料工業の顔料の浮き防止剤(antifloating または antisilking agent)として用いられ、またペンキやワニスのつやを増しかつ延びをよくする効果を有しています。
 また化粧品工業においてはクリーム・歯磨き・口紅・石けんなどに少量添加してそれぞれ特異な性能を出しています。シリコーン油の入ったクリームは家庭などで水仕事をする方々に有効で皮膚を柔軟にするとともに”ひび”や”あかぎれ”にはいわゆる"Invisible glove"として冬期珍重され、また化学工場や機械工場などでも産業用保護クリームとして繁用されることが期待されます。

3.消泡剤としての応用

 シリコーン油は表面張力の関係から強力な消泡性を有しており、各種工業方面に用いられて作業能率の向上に寄与しつつあることは衆知に属します。

4.離型剤としての応用

 従来ゴム工業や、合成樹脂工業の離型剤としては油脂類・動植物油・金属石鹸などが主として用いられてきましたが、シリコーンの出現によってその大部分が置き換えられつつあります。

5.撥水剤としての応用

 ガラス・陶器・ステアタイト・碍子などにシリコーン処理を施すと多湿状態下でもほとんど完全に撥水性を付与することができ、したがって高度の電気絶縁性を示すようになります。また繊維・紙・木材・比較・建築材料・難航などに応用しても優秀な撥水性を与えることができます。なおシリコーン油で塗布した紙や布でめがねやレンズの表面を磨くと、塵埃や汚物の付着が防止でき、かつそれらの清掃も容易となり、ガラス表面に微細な"傷"の生じることが避けられます。眼鏡拭きは一般に親しまれている好例です。さらに実用的には薬品瓶や注射用アンプル、理化学用ガラス器具などの撥液処理用として広く用いられつつあります。

6.つや出し剤としての応用

 シリコーン油は、2~3%濃度に溶剤に溶かしたり、Wax類と混ぜて自動車や諸家具類のつや出し用に用いられます。市販には様々な名称で売り出されていますが、靴クリームや皮革・ビニール製品の撥水とつや出しの一石二鳥を狙った製品もよく見かけます。

7.高温浴用剤としての応用

 シリコーン油は耐熱性が大きく揮発性がほとんどなく、したがって不快臭の発生も認められず、かつスラッジの生成もないので、外科歯科医療器具の殺菌保存用として米国においては好んで用いられつつあります。また少々高価ではありますが、化学実験室などの油浴、融点測定用浴として用いると便利です。

8.防震油としての応用

 シリコーン油は粘度温度変化が小さいと同時に優れた防震力を有しているので自動車や飛行機に使用されるゲージ類やガルバノメーター、蓄音器のピックアップ、回路遮断器、温度調節器などに用いられます。

9.その他の応用

 その他変圧器高周波機器絶縁用や高真空拡散ポンプ用油やディーゼル機関の緩衝油、水圧機油としても応用されています。

《信越化学工業(株)製品のご紹介》

●シリコーンオイル KF-96-50cs


 ・引火点:310℃以上
 ・タイプ:離型
 ・使用温度(℃):200
 ・粘度(cSt):50
 ・耐熱性・耐寒性・耐化学薬品性に優れています。
 ・広い温度範囲にわたって粘度変化が少なく、電気絶緑性にも優れています。

●シリコーンコーティング剤 KR251-1


 ・シリコーンコーティング剤です。
 ・高硬度、被膜形成性に優れています。
 ・色:無色透明
 ・主成分:シリコーン

●POLON-T


 【商品の特徴】
 信越シリコーンPOLON-Tは、常温で速やかに乾燥して比較的柔軟な撥水性シリコーン被膜を
 形成する繊維用撥水剤です。
 このため、POLON-Tは、毛、綿、綿、化繊などの各種織物およびパルプ製品の簡易撥水処理剤
 として広く使用されています。
 コンクリート、モルタルなどの建材などにも使用できます。

●KM72F 信越シリコーン


 【メーカー】 ●信越化学工業(株)
 【特長】 ●食品衛生法の基準に適合した消泡剤です。
      ●持続性、耐アルカリ性を改良したものです。
 【用途】 ●一般排水、洗浄水、食品・発酵工業の消泡。
 【仕様】 ●色:乳白色
 【材質・仕上げ】 ●主成分:シリコーン
 【原産国】 ●日本

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シリコーン油の特性~シリコーン製品の紹介



《シリコーン油の特性》

1.沸点が高く凝固点が低い

 例えば、水と同じ粘土を有するシリコーン油の沸点および凝固点は152℃および-86℃を示します。分子量が大きくなると、著しく沸点が高くなり、50C.S.以上の粘度のものは蒸溜が不可能であるとともに、非常に低い凍結点を持っています。

2.広い温度範囲で粘度の変化が少ない

 このことはシリコーン油の最大の特徴の一つで、従来の鉱油系油と比較して格段の差が認められます。

3.蒸気圧が極めて低い

 拡散ポンプ用として市販されているものを使用すると冷却トラップなしで5✕10^-7mm程度の高真空が容易に得られます。

4.電気的特性が良好

 その誘電率及び力率は周波数10^3~10^9Hzの広い範囲にわたってほぼ一定であり、また温度変化によるこれら特性の変化も極めて少ないです。

5.大きな耐熱性及び耐酸化性

 シリコーン油は、170~180℃までは変化しませんが、200℃ではやや酸化が起こり、粘度変化が認められます。しかし200度程度では空気を遮断すれば完全に安定です。また250℃で空気と接触すると、48時間でゲル化してしまいますが、この場合還元剤の存在は粘度上昇防止に有効です。一方、酸素を遮断した状態の熱の影響は石油のクラッキング同様低分子量物に分解しますが、その温度は250℃以上で始まり、350℃で促進されます。酸素に対する抵抗性も著しく大きく、圧力2000psi、150℃1時間または250℃30分ではシリカの生成は皆無でした。さらにシリコーン油の分子構造中にC6H5基を含有する場合は225℃では酸化による変化はほとんど認められず、250℃でようやく粘度上昇が認められました。

6.多くの化学薬品に侵されにくく、自らも他の素材を侵さない

 シリコーン油は化学的に不活性で希薄酸、アルカリ及び塩類水溶液には安定ですが、濃硫酸・濃リン酸には解重合を起こしてとけ、濃硝酸は高温で酸化されます。また乾燥塩酸ガスに触れると、シロキサン結合の開裂を起こして粘度が下がり、塩素に接触すると、有機基の塩素化が起こり、粘度が増します。一方シリコーン油は金属、ゴム、プラスチックスなどに対し全く腐食性がありません。シリコーン油について、10種の金属に168時間、200℃接触させたときの粘度変化を測定したデータがありますが、鉛及びテルルの時に最大で、ジュラルミン、カドミウム、銀、鉄鋼、亜鉛は全く変化なく、銅、セレンにおいて若干の粘度低下が認められたといいます。

7.大きい溶解性

 一般に無極性の溶媒にはよくとけますが、有極性のものには溶けにくいです。特に溶媒中に水分があると溶解度は非常に低下します。

8.潤滑性状はあまりよくない

 普通に用いられる金属の組み合わせ間の回転摩擦には良好な潤滑性を示しますがsteel-steelの場合にはoilnessが不十分で荷重の大きい場合には使用範囲の制限を受けます。この油性向上のために添加剤として脂肪族アミン類、メルカプタン類及び有機酸エステル類が推奨されていますが、この点に関してはなお多くの問題が残されています。このほかその目的のためにシリコーン油の構造中のフェニル基にCF3、Cl、Brなどを導入して潤滑性状の改良を企図している報告も出されています。

9.毒性はほとんどない

 毒物学的研究の結果によれば試験用動物の皮膚には全く刺激を与えず、またその動物の体重の2%量のシリコーンを経口的に与えても何らの病変は認められないとされています。

《シリコーン製品のご紹介》

●AZ(エーゼット)シリコーンスプレー イエロー


 ・金属、ゴム、プラスチック、木、紙等の潤滑・離型・防錆・艶出に効果的です。
 ・素材にやさしい無溶剤タイプのため、様々な素材に使用できます。
 ・スノーダンプなどにも最適です。

●ガレージ・ゼロ シリコンオイル


 ・成分:シリコンオイル
 ・粘度:50cSt
 ・金属、プラスチック、ゴム等の潤滑・離型・ツヤ出し
 ・自転車、バイク、釣り具、模型、プラモデル等の潤滑
 ・自動車、バイク、自転車などのつや出し、コーティング

●ワコーズ SL シリコーンルブリカント


 ・ワコーズ シリコーンルブリカント A230■容量:420ml●樹脂やゴム及び金属部品の保護艶
  出し・滑走・潤滑・撥水・離型性に優れた効果を発揮するシリコーンオイル潤滑スプレー
  です。無色・無臭でFDA規格にも適合しているので食品工場でも使用できます。(食品に直接
  触れる部分には使用しないでください。)
 ・※自動車の内装に使用する場合は、車両付属の取扱説明書に従って作業してください。
  (素材や劣化状態により脱色や変色などの恐れがあります。)

●ソフト99 チョット塗りエイド シリコーンオイル


 ・潤滑油等を充填した筆塗りタイプのケミカルシリーズ
 ・樹脂、金属の潤滑
 ・溶剤を含まない、シリコーンオイル100%タイプ
 ・対象物に浸み込むことなく皮膜を作り、潤滑効果を発揮する
 ・ちょっとした箇所へのピンポイント使いに便利な筆塗りタイプ
 ・工具箱に収納可能なコンパクトサイズで、収納・保管に場所を取らない

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