活性の強いイソシアネート基を適当な化合物で保護して不活性として、加熱によりイソシアネート基が再生するようにしたものをブロックイソシアネート (又はマスクドイソシアネート)と称せられるものになります。ブロック剤としてはフェノール、クレゾール、芳香族第2アミン、第3級アルコール、ラクタム、オキシムなどが挙げられますが、TDIプレポリ マーのフェノールブロック体を APステーブルといいます。このものは加熱により解離してイソシアネートを再生するので、このような付加物とポリエステル樹脂を溶剤に溶かして塗料化します。加熱条件160℃で1時間又は180℃で30分間加熱するとフェノールが解離して空気に離脱し、残った-NCOはOH含有体ポリエステル反応して強固な塗膜を形成します。
この塗料にはフェノールに毒性があり、溶解性も悪く黄変しますが、電気特性に優れているため電線被覆に用いられます。