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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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付着の理論:吸着説(吸着2段階説)



吸着説(吸着2段階説)は、Mc LarenやZismanらにより提唱・支持され、古くから知られています。
 付着するためには、次のように分子の拡散と吸着の2段階を経て、被塗物-ビヒクルポリマーの分子間が引き合います。
 第1段階――溶液または融液からポリマーが固体表面に核酸移動する段階。そしてポリマー分子の極性基が被塗物表面分子の極性基に接近する。
 第2段階――塗液-被塗物の分子間距離がある範囲(Åオーダー)内に接近すると、主としてファンデルワールス力が作用して吸着平衡に達し、接着力を発揮する。
 ファンデルワールス力のような弱い力に頼るよりは、水素結合力や共有結合力による付着の方が当然好ましいということになります。エポキシ樹脂がよく付着するのは、金属表面上での水酸基同士の水素結合によるものであったり、ウレタン塗料のイソシアネート基と木材セルロースの水酸基とがウレタン結合(共有結合)を形成するためである、ということなどが言われています。ただし、これらには確証がありません。個々の結合力は弱くても、ファンデルワールス力に頼らざるを得ないのが現状です。
 吸着説は「似たもの同士はよく接着する」という経験則にもよく合致し、ビヒクルポリマーの重合度・温度・圧力の影響を合理的に説明できる利点があります。しかし、拡散と吸着の相反する分子運動で説明することは、ちょうど2枚舌で説明するようなものですし、また、平衡論であることから、脱着速度の影響は説明できないなどの弱点もあります。

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リン酸クロメート処理



反応型クロメート加工液中のアニオン成分として、特にリン酸を添加した場合については、クロム酸クロメート皮膜ではなく、リン酸クロムを主成分とする皮膜を形成するため、リン酸クロメート処理と称して、クロム酸クロメート処理と区別されます。
 リン酸クロメート皮膜の生成機構は、クロム酸クロメート処理同様、素地のエッチングによってクロム酸が3価のクロムに還元されるところから始まりますが、生成した水酸化クロムからはクロム酸クロムを生じることがなく、リン酸と反応して難溶性のリン酸クロムが皮膜として析出します。
 リン酸クロメート処理は、高い耐食性を有することはもちろん、皮膜中に6価クロムを含有しないこと、皮膜が難溶性であることなどの特徴を有し、各種塗装の前処理や、6価クロムの溶出を嫌う部材(アルミ缶の表面処理など)に対して広く使用されています。
 なお、アルミニウム合金に対してリン酸クロメート処理を施した場合、アルミニウム素地とクロメート皮膜界面は、クロム酸クロメート皮膜と同様に、酸化アルミニウムやフッ化アルミニウムが偏析していることが知られています。

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クロム酸クロメート処理



反応型クロメート加工液中には、皮膜の主成分となるクロム酸のほかに、エッチング剤として各種無機酸(アニオン成分)が添加されています。亜鉛めっき材用の加工液は硫酸、フッ化水素酸といったアニオンを含有し、アルミニウム合金用加工液にはフッ化物錯体を含むフッ化水素酸が必須成分として含まれています。
 クロム酸クロメート皮膜の生成機構は、まず素地のエッチングにともなって6価のクロム酸が3価のクロムへと還元され、さらに素地表面のpH上昇によって、生成した水酸化クロムとクロム酸が非晶質のクロム酸クロムを生成し析出します。なおクロム酸クロム析出の際、エッチング剤として添加される各種アニオン成分も、一部皮膜中に取り込まれることが知られています。
 アルミニウム合金用のクロム酸クロメート処理の場合、皮膜化成促進剤としてタングステン化合物やフェリシアン化カリウムなどを含むものもあり(ただしフェリシアン化カリウムについては、西院郊外面からあまり使用されていません)、それぞれの皮膜の析出機構を促進します。クロメート皮膜とアルミニウム素地の界面には、エッチング反応によって形成される酸化アルミニウム層やフッ化アルミニウム層が残存します。また、促進剤としてフェリシアン化クロムがクロメート層の最表面に偏析し、タングステン化合物を用いた場合には、6価のタングステン化合物が皮膜中に均一に分布します。

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