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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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プレコート鋼板の開発動向



住宅外装用途では、プレコート鋼板には長期の耐久性が要求されます。特に近年では、各住宅メーカーも長期優良住宅認定制度などを背景に、長期保証に耐えうる設計やメンテナンスプログラムを明確に示すことで、数世代にわたって長く住める住宅であることをPRしています。このような住宅メーカーの取り組みに対応すべく、建材用プレコート鋼板もその耐久性を向上させてきました。特に基材となる表面処理鋼板は大きく進化してきました。
 建材用プレコート鋼板の需要が低迷する中で、ガルバリウム鋼板を基材としたプレコート鋼板の生産量は大きく伸びてきました。近年では金属製屋根・壁のガルバリウム鋼板比率は85%を超えています。これはガルバリウム鋼板の高い耐食性が広く認知されるようになったこと、溶融亜鉛めっき鋼板各社が市場参入したころで供給量も増えて価格が下がり、コストパフォーマンスが大きく向上したためです。
 ガルバリウム鋼板を基材としたプレコートは、腐食の初期に切断端面部からの塗膜の膨れが大きくなることが当初は問題視されていましたが、年数が経過すると塗膜膨れの進行速度が遅くなり、長期では溶融亜鉛めっきを基材とするプレコート鋼板よりも耐食性に優れることが実証されています。一方、ガルバリウム鋼板のめっき組成に2%のマグネシウムを添加することで、ガルバリウム鋼板の3倍以上の未塗装時の耐食性を実現した溶融合金亜鉛めっき鋼板(エスジーエル)が2013年に上市されています。
 ガルバリウム鋼板は、一般環境下では初期は亜鉛リッチ層による防錆効果(犠牲防食作用及び腐食生成物の保護作用)が働き、長期ではアルミニウムの腐食生成物が、溶出した亜鉛リッチ層を充填(自己修復作用)し、高い耐食性を発揮します。しかしながら、海岸至近の軒下部のように厳しい腐食環境においては、早期に亜鉛リッチ層の溶出が起こり、アルミニウムの自己修復作用が不十分な状態で腐食が進行してしまいます。一方、エスジーエルはマグネシウムの効果により亜鉛の腐食生成物がより緻密で保護効果の高い皮膜を形成するため、亜鉛リッチ層の溶出が抑えられ、厳しい腐食環境においても高い耐食性を示します。
 このように住宅の立地や部位による腐食環境の違いに応じて、基材を適切に選定することで、要求にマッチしたプレコート鋼板の耐久性を得ることが可能です。

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プレコート鋼板の要求性能



プレコート鋼板は、様々な形に成型加工され、使用されることが前提であること、また主に外装に使用されていることから、成型時に塗膜割れや塗膜の剥離や傷が生じにくい性能、また成型後実際に使用される環境に応じた耐久性や機能などが要求されます。特に外装材としての美観や機能(雨が漏らない、など)維持の観点から求められる耐食性及び耐候性などの、いわゆる耐久性は、塗装基材となる表面処理鋼板とその上に形成される塗膜とが最適に組み合わされてこそ発揮されるのです。特に組み合わせる表面処理鋼板の耐久性は重要で、現在そのほとんどにガルバリウム鋼板が使用されています。一方、塗膜にも厚膜化や高耐候性樹脂なの採用が進んでいます。
 また、太陽熱を反射する高遮熱化機能や窓サッシ下部などでよくみられる壁の筋汚れに対する防汚性、クロメートフリー化などの環境対策や、細かなところでは窓シャッター開閉時の音鳴りの防止性なども要求されています。

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プレコート鋼板の仕様



住宅外装に使用されるプレコート鋼板は亜鉛系、アルミニウム系もしくはその合金系の溶融亜鉛めっきを施した表面処理鋼板基材の両面の10から20ミクロン程度の塗膜が塗装された使用が一般的です。
 プレコート鋼板の表面は塗装前処理が施された基材面上に下塗塗膜と上塗塗膜が施された2層からなっています。一方、裏面はサービスコートと呼ばれる表面より薄い膜厚の仕様で1層の場合と2層の場合があります。
 表面の下塗り塗膜には密着性及び耐食性とコストのバランスからエポキシ樹脂系が選択されるケースが多いですが、加工性を重視した仕様ではポリエステル樹種系が選択される場合もあります。また、耐食性向上のためにクロメート系の防錆顔料が配合されるのが一般的です。上塗り塗膜には耐候性、加工性、耐傷付き性などを考慮し選択されます。コストとのバランスからポリエステル樹脂系が選択されるケースが多いですが、耐候性を重視しフッ素樹脂系が選択されることも増えています。また厚膜や溶着が可能な塩化ビニル樹脂系が選択されることもあります。
 裏面は2層の場合、下塗り塗膜は表面と同様に防錆顔料を含んだエポキシ樹脂系が、上塗り塗膜は分子量の低いポリエステル樹脂系が選択される場合が多いです。2層を選択する理由は切断端面部などの耐食性を向上させるためです。
 塗装前処理は、ほとんどがクロメート処理となっています。
 プレコート鋼板の製造設備は2コート2ベークの連続製造ラインが主流です。塗装前処理の塗布型クロメート処理や塗料の塗装にはロールコーター方式が多く採用され、焼き付けには熱風炉が多く用いられています。

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