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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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ウォッシュプライマー(wash primer)



ウォッシュには、洗う、浸食する、薄く塗るなどの意味があり、ウォッシュプライマーは本来、エッチングプライマーと同義語であります。
 その内容は、エッチングプライマーの定義の違いもあって厳密に定義されるものではありません。
 英国規格の、B.S.2015(1965)PAINT TERMSには、wash primerの項には、See "eching primer” と記載されています。エッチングプライマーは、一般的に2液形塗料で、リン酸の化学反応で鉄及び非鉄に良好な密着性を示すものとされています。
 日本のJISでは、JIS K 5500(2000)「塗料用語」にウォッシュプライマーという言葉は載っておらず、エッチングプライマーの対応英語としてwash primerの記述があります。塗料企画はJIS K 5633(2010)「エッチングプライマー」に規定されていて、内容は、リン酸を含む2液形塗料で、1種(金属素地に対する塗装系の付着性を増加する目的で塗装され、数日以内に塗り重ねるもの)と、2種(鋼材の素地調整後、本塗装を行うまでの間一時的に防錆力を付与する目的で、数ヵ月以内に塗り重ねるもの)とに分けられています。
 アメリカのS.S.P.C.(steel structures painting council)では、塗料規格として、SSPC PT 3-64 basic zinc chromate-vinyl butyral wash coat と、SSPC PT 5-64P single package wash primer について規定しています。
 S.S.P.C.では、ウォッシュプライマーは一般用語として取り扱われています。
 このように、ウォッシュプライマーは国ごとに定義に差があり、同国内でもさらに違いが見られます。
 一般的に実用上からは、ウォッシュプライマーとは、「リン酸を配合し記事金属との密着性を高めたプライマーで、非鉄金属も含めて密着性を高めること及び/または一時的な防錆を目的とする、1液形または2液形塗料」と定義することができます。


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マグネシウム合金用塗料の設計



《下塗塗料(プライマー)の設計》
 下塗塗料の設計は、マグネシウム合金との付着性、上塗塗料との層間付着性、素材欠陥の探査性、カバー性、研磨性など極めて重要な役割を持っています。
 付着性については、化成処理面に対する付着性はもちろんでありますが、パテ研磨した時の化成処理が取れて、マグネシウム素地が露出した部分への付着性、成型時に巻き込まれた離型剤残存部への付着性が、大きな問題となってきます。マグネシウム素地及び上塗塗料に対する付着性のためには樹脂特性からみて、メイン樹脂にエポキシ樹脂が適当であります。エポキシ樹脂の分子量・分子量分布・官能基の種類・濃度・ガラス転移点(Tg)等の最適化、および硬化機構・架橋密度・硬化特性等の制御から設計する必要があります。
 また、表面欠陥(巣、クラックなど)の影響で、他の素材に比べ塗膜を焼き付け塗装した時フクレ(気泡)が発生しやすい素材でもあります。フクレ(発泡)対策については、塗料の内部溶剤・硬化機構・硬化特性などの制御から設計する必要があります。
 表面欠陥の探査性では、素材表面の小さなヘコミ、クラック、ワレなどの目視では見つけにくいものに対しては、艶が高く、吸い込み、膜厚による濃度差が出やすいプライマーが有効になります。
 表面欠陥のカバー性では、硬さ・粒径・形状などの選定されたフィラー及び樹脂ビーズを含有させて、充填性、体積収縮率などを制御しうる反応硬化挙動を示す配合処方が必要になります。

《上塗塗料(トップコート)の設計》
 上塗塗料の設計は、従来概念の素材の保護、美粧性、付着性のほかに、耐薬品性・耐人工汗性・耐摩耗性など特殊な塗膜性能が要求されます。また、消費者の趣向にあった色調・高級感・触感が要求されます。
 携帯型情報機器向けとして使用されることが多いため、メタリック調、パール長の色調が主流となっています。このため、塗料に求められる性能も厳しくなるため、メイン樹脂の選定、原材料の選定が重要になります。



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金属被覆について~メッキング&サビトリキングの紹介



《金属被覆》

 鉄やその他金属を被覆したものは、我々の身の回りに数多く見られます。このような金属被覆は主として屋内外での防錆防食を目的とするものが多いですが、装飾性、硬度、耐摩耗性、はんだ付け性向上や電気的特性の付与など素地金属にない機能・特性を付与するためになど他の防錆防食技術と複合して利用されることも多いです。
 金属被覆は通常、処理方法によって分類されていますが、防錆防食の原理・機構からの分類も行われています。

《金属被覆の腐食、耐食性》

 金属被覆した時の腐食の進み方は、被覆した金属自体の耐食性に依存するとともに、素地と被覆金属との間での電気化学的性質によっても影響を受けます。本来異種金属との接触は電位差を生ずるため防錆防食上は好ましくないことです。この原理を逆に利用して犠牲アノードとして働く金属を被覆し、その溶解による防食電流により素地金属を防錆防食しようという方法、および完全な被覆を行って環境と素地金属との間を遮断する方法とに大別されます。またこの両者を組み合わせた方法、例えば二重ニッケルめっきや各種合金めっきなどがあります。

《犠牲アノード型被覆》

 鉄素地上への亜鉛被覆やアルミニウム被覆が代表的な例として挙げられます。
 これらの被覆にピンホールなどの欠陥があった場合でも、亜鉛やアルミニウムは鉄に対してアノードになって溶解し、鉄素地はカソードとなって防食されます。亜鉛めっき鋼板ではその切断の端面に亜鉛が幾分かぶってくるとともに、この犠牲防食作用によって切断面を有効に防食することができます。
 この型の被覆では、ピンホールなどの被覆層の欠陥部(鉄素地が露出)において、はじめは被覆層の横方向に腐食が進行しますが、ある程度鉄素地が露出すると電気化学的防食作用が及ばなくなり、素地においても発錆してしまうこととなります。したがって、防錆力を持続する能力は被覆金属の厚さ(付着量)に依存しているといえます。
 このような電気化学的防食作用は環境条件によって左右され、大気中でも水と酸素が存在する、あるいは海水などの電解液中において亜鉛やアルミニウムが溶解して初めて鉄の腐食が抑制されます。アルミニウムはそのアノード分極が大きいため、ピンホールや切断面での防食作用は亜鉛に比べて劣っています。また、亜鉛でも特殊な環境下、例えば溶存酸素を十分含んだ60℃以上の淡水中では、鉄に対してカソードとなり、極性が逆転する現象を起こします。

《バリアー型被覆》

 素地金属より貴な金属。例えば鉄素地に対するCu、Ni、Cr、Pb、Sn、Ag、Auなどを被覆する場合には、完全に欠陥のない被覆を行えば、より貴な金属表面の耐食性を得ることができます。しかし、ピンホールなどの局部的な欠陥があると、この部分で露出した素地金属がアノードとなり、被覆金属がカソードとなります。アノードとなる素地表面の面積が小さく、カソード面の面積が大きいため、素地金属の腐食電流密度が非常に高くなり、局部腐食が促進されることとなります。
 例えば、ピンホール部から鉄が溶解してめっき皮膜へ防食電流を供給しながら、さらにめっき皮膜下をはうように横方向に腐食が進行していき、最後はめっき層の剥離にまで至ります。

《複合型被覆》

 これは先ほどの防食作用を組み合わせることによって防錆防食効果を得ようとする方式になります。例えば二重ニッケルめっきのようなものになります。二重ニッケルめっきは下層に硫黄を含まない無光沢ニッケルめっきあるいは硫黄の少ない(S<0.005%)半光沢めっきをし、その上に硫黄含有率の高い光沢ニッケルめっき(S>0.04%)を施します。腐食環境において最上層のクロムめっきの欠陥から生じた光沢ニッケルめっきはアノードとなって腐食は横方向へ拡がり、下層の無光沢、半光沢めっき層は硫黄含有率の差からカソードとなって腐食が抑制され、これによってその下の鉄素地を防食することとなります。
 このほか、Zn-NI合金系とZn-Fe合金系の多層めっきも複合型被覆といえます。

 以上のように、金属被覆による防錆防食を検討する場合、素地と被覆金属との関係について特に電気化学的な考慮が必要といえます。

メッキング&サビトリキングのご紹介》

 ここまで、金属被覆とその種類について述べてきましたが、めっきに対して非常に効果の高いメッキ保護材取り剤、メッキング&サビトリキングについてご紹介いたします。




 こちらの商品の開発の経緯として、めっきはどうしても経年劣化等でくすみ、錆が出てしまうことから、「めっきの輝きを取り戻す方法はないのか?」などのお声を頂き、5年の歳月を掛け開発したのが「メッキング&サビトリキング」です。
 メッキング&サビトリキングをご利用頂くメリットとして、どんなにくすんだめっきや錆びためっきでも、ピカピカの元通りになります。それだけではなく、コーティング効果も兼ねているため、汚れが付きにくくなり(防汚効果)、輝きも長く持続します。
 対象となるユーザー様としては、旧車やアメ車、カスタムカー、トラック、バイク、などパーツにめっきを使われている方はもちろんのこと、アクセサリーや時計、台所回りなど、屋内・家庭内で使用されるめっき製品でも、その威力を十二分に発揮します。

 この機会に、メッキング&サビトリキングが必要だ!という方は下のバナーから是非お求めください!

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