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塗装技術の門

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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【化学前処理の低温化】前処理の低温化と省エネルギー



塗装下地処理としての前処理は、あくまでその上に塗られる塗料との総合的な評価であり、単独の判断は困難です。装置としても一工程で行うか、全体を長くして(工程を増やして)、行うかはエネルギーの計算と前処理の程度によります。低温化と省エネルギー対策としてはそのところを十分に考えて行う必要があります。

合わせて読みたい
【化学前処理の低温化】脱脂と洗浄:高圧力水による洗浄
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【化学前処理の低温化】除錆
【化学前処理の低温化】化成処理:リン酸鉄皮膜処理
【化学前処理の低温化】化成処理:リン酸亜鉛皮膜処理
【化学前処理の低温化】塗装下地処理の省エネルギー対策①
【化学前処理の低温化】塗装下地処理の省エネルギー対策②

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【化学前処理の低温化】塗装下地処理の省エネルギー対策②



《水洗水による冷却放出》
 水洗水が処理液温に近ければ、熱損失が防げます。そのためには水洗工程を多段水洗として水量を減少させる方法がとられています。1段水洗と同一の水質を保つのに2段水洗では水量は1/5~1/10に、3段水洗では1/20~1/50で済みます。ただし、水洗水の温度が高いということは被処理物の表面が乾きやすくなるために注意が必要になります。

《排気による放熱》
 スプレー法前処理装置の前後についている排気ファンからの放熱は全体の40%といえます。そのため排気ファンの風量は工場内作業環境を保ちうる範囲内で、およびコンベアーが汚染されない範囲で抑制するのが望ましいです。放熱量としては出口側より入口側の方が多いため、脱脂工程の前に、予備脱脂工程、その前に水洗工程を入れることにより放熱を少なくすることができます。温度の形を山型にすることにより(出入り口側が低い)排気ファンの方に行く熱が非常に少なくなり、排気容量を少なくすることができます。

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【化学前処理の低温化】塗装下地処理の省エネルギー対策①



《はじめに》
 各前処理工程の省エネルギー対策としての低温化処理については様々ありますが、ここでは装置も含めた省エネルギーについて述べたいと思います。前処理の方法としてスプレー法と浸漬法がありますが、浸漬法はスプレー法と比較して燃費は40~60%で済み、用途によっては装置的な改良も含め非常に効率的で近年見直されてきています。またスプレー法では、脱脂→水洗→皮膜化成→水洗のように加温と冷却の繰り返しにより、熱エネルギーを空気中および水洗水中に放出しています。脱脂と皮膜を一工程で行うことができるなら熱エネルギーとしては半分近くになります。リン酸鉄皮膜で可能であり、数多くのラインがありますが、リン酸亜鉛皮膜ではまだ数が少ないのが現状です。これは安定性に問題があるためと考えられます。

《保温剤による対策》
 タンクおよびスプレーブース壁からの放熱対策として断熱材を使用することが望ましいと考えられています。断熱材が全くない場合、50~60℃の使用温度で1時間(放熱面積1㎡あたり)、約100kcal、放熱しますが、25ミリで約40kcal、50ミリで20kcalになります。保温としては50ミリ以上にすることがよいといえます。



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