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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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粉体塗料に要求される性状



(1)溶融温度と分解温度および架橋温度との差が大きいこと。粉体塗料は塗布後、加熱溶融させて塗膜を形成させるので、使用している樹脂の融点以上に加熱する必要があります。この場合樹脂の分解温度や架橋温度が溶融温度に接近していると平滑な塗面は得られません。

(2)溶融温度は低い方が良いです。塗装された粉体塗料は、粒子間に空気が大量に存在するため、平滑な塗面を得るには溶融粘度が低くて、流動しやすくなければなりません。

(3)貯蔵安定性に優れていること。平滑な塗面を得るためには、融点はなるべく低い方が好ましいですが、粉体塗料の保管中に粒子同士が凝集を起こして、ブロッキング現象を生じます。また熱硬化性樹脂の場合、保管中に架橋剤との反応によってもブロッキングを生じます。したがって、粉体の融点、架橋剤の種類などを十分に検討する必要があります。

(4)粉体塗料を静電塗装する場合には、粉体の電気抵抗値が適切でなければなりません。この電気抵抗値が低すぎると帯電した電荷は被塗物から放出するため粉体粒子の脱落が起こりやすくなります。また、高すぎると帯電した電荷を放出しにくいので、塗膜面に電荷の集積ができるため、厚塗りが不可能になります。一般に電気抵抗値は10^10~10^13Ωcmくらいが適当とされています。

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粉体塗料の概要と一般的特徴



▽概要
 粉体塗料とは有機溶剤や水のような揮発性分散媒(溶媒)を用いず高分子合成樹脂を主成分とした塗膜形成要素を粉末状にしたもので、空気を媒体として粉末のまま、被塗物の表面に塗装し、加熱して粉末を溶融させて、塗膜とするものです。粉体塗料に用いられる樹脂は熱可塑性樹脂としては塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン系などがあり、熱硬化性としてはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などがあります。

▽粉体塗料の一般的特徴
 粉体塗料の特長を次に示します。

 (1)塗料中に溶剤を含んでいない無溶剤のため、溶剤による中毒、火災などの危険性がなく、大気汚染もなく、塗料成分が100%塗膜になります。
 (2)従来溶剤型塗料としては使えなかった高分子量の樹脂が使用可能となり、高度の塗膜性能が得られます。
 (3)溶剤型塗料で起こりやすいたれ、たまり、流れなどの欠陥が起こりにくく、一回で厚膜塗膜が得られます。
 (4)粘度調整の必要なく一回塗りで必要膜厚が得られ、加熱前のセッティングも必要ありません。

 上記の特徴もありますが、反面欠点もあり、一般に焼付け温度が高く、温度、湿度および圧力により粉体粒子のブロッキングを起こしやすいことが挙げられます。塗装設備も粉体塗料用として新規の設備、機器が必要であり、粉塵爆発に対する防止設備、対策が必要です。

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NAD塗料の用途



NAD塗料の主要な用途は自動車のメタリックカラーの上塗り塗装用です。自動車の塗装仕上げはメタリックカラーとソリッドカラーとがありますが、メタリックカラーはソリッドカラーに比べて塗装上の問題が多く、メタル色のムラ、たれ、わきなどが発生し、2コート1ベーク方式では光沢不良など、クレームが多くなります。これに対し、NAD塗料は、その特性からメタリック塗料として最も塗装効果を発揮する塗料になります。すなわちNAD塗料は分散系であるため、溶剤離脱が早く、塗装時あるいは造膜時の特殊な流動特性のためと推察され、造膜時の膨潤した粒子が、加熱融合時に収縮するときに、アルミニウム粉の配列をよくし、流れを防止して、定着させるためといわれています。また、塗料的には、分散媒として脂肪族炭化水素系の低沸点溶剤が用いられますが、塗面が平滑になるために必要な粘度を保つため、必要最小限の高沸点溶剤が、膜融合剤として用いられます。膜融合剤として使用される極性用材としてはセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチセロソルブ、カービトールアセテートなどがあり、場合により、エチレングリコールなどの高沸点溶剤も用いられます。これらの溶解力の強い高沸点溶剤を併用すると、塗装時には溶解力の弱い低沸点の脂肪族炭化水素系溶剤が急速に大気中に離脱放散され、残留している溶解力の強い高沸点溶剤が作用して分散粒子をお互いに溶着して高粘度の状態になり、アルミニウム粒子の対流を防止するため良好なメタリック仕上げになるとも考えられます。

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