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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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ストレート型ケイ素樹脂塗料



ストレート型ケイ素樹脂塗料とは、通常シロキサン結合を骨格に有し、Siの側鎖にメチル、エチル、フェニル、プロピルなどの有機基を有する官能性の高いポリマーで、形態は溶剤型タイプ、無溶剤型タイプになっているもので、他の有機樹脂と変性していないものを総称しています。
 塗料用として主として用いられているものは、常用250℃の耐熱塗料として使用され、特にアルミ粉などの耐熱顔料を配合した場合は、500℃にも耐えることができ、エンジンのマフラーやストーブなどの塗装に実用されています。

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ケイ素樹脂の特徴




 ケイ素樹脂はほかの有機樹脂などにみられない特異な性能を持っています。
 (1)耐熱、耐寒性が特に優れ、無機顔料を配合した塗料は、250~300℃の高温で塗膜の変色、亀裂、ふくれ、剥がれを生じません。また、-50℃の定温においても屈曲性、衝撃性に耐えます。
 (2)耐候性に優れ、促進耐候試験で1000時間後でも60%以上の初期光沢を保持し、白亜化しません。
 (3)耐水性、撥水性に優れています。長時間水に浸しても塗膜に変化は認められません。
 (4)電気絶縁性はほかの合成樹脂塗料に比して、高温における電気的特性が優れています。
 (5)ケイ素樹脂は化学的に安定なため、種々の化学薬品に対して侵され難いです。

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ケイ素樹脂



一般にケイ素樹脂といわれているものには、液状のものからゴム状、樹脂状のものまで、形態はさまざまで、その性質、性能もおのずと異なっています。塗料用に使用されているものは、シロキサン結合を有するオルガノポリシロキサンで、官能基としては、水酸基(-OH)あるいはメトキシ基(-OCH3)になります。
 置換基としては、メチル基、エチル基、フェニル基などがあり、CH3基が多くなるにしたがい、その塗膜の性質は、撥水性になり、すべりやすく、ゴム弾性をおびるようになります。反対にC6H5基の割合が多くなると、撥水性が減少し、硬度が増し、機械的強度が大きくなり、耐熱性も向上します。また、シロキサン結合用の架橋度によっても塗膜性能が左右されます。架橋度が小さいと固くてもろく、架橋度が大きくなると樹脂状というより油状に近くなります。油状のものは界面特性を利用して、塗料用添加剤として利用され、樹脂状のものは、熱硬化樹脂として耐熱塗料用として使用されます。ケイ素樹脂は、長所がある反面、耐溶剤性、付着性、強じん性に劣るという欠点があり、したがって、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などで変性し、ケイ素樹脂の欠点を改良して、特徴をいかす方策がとられています。

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