▽有機顔料は表面の極性が低く、無機顔料は極性が高いです。
有機顔料は水への濡れ性が劣り分散速度が遅くなります。▽有機顔料は表面の酸性や塩基性の官能基が少ないです。
溶剤系において樹脂や分散剤との酸塩基相互作用による分散安定化が難しいです。
また、水性塗料中での分散では、樹脂や分散剤との相互作用は疎水性相互作用なので分散速度は低いものの、一度分散させてしまえば、塗料状態での安定性は比較的良好です。▽無機顔料は、有機溶剤はもとより水のような高表面張力の液体でも濡れに問題が生ずることはありません。
▽無機顔料は表面に酸性や塩基性の官能基が多数存在します。
溶剤系での分散性は良好です。
また水系では、樹脂と分散剤との組み合わせによっては分散安定性が不十分で、表面の電荷に起因する不具合が生じる場合があります。
※カーボンブラックは無機顔料に分類されますが、上記の分散性の観点からすると、カーボンブラックの挙動は有機顔料と同等になります。