《耐摩耗試験》
塗膜がこすられたり、けずられたりすることに耐える性質を耐摩耗性といいます。耐摩耗性を試験する方法に、落砂摩耗試験、ティバー摩耗試験機があります。
落砂試験の場合は45度の傾斜においた塗板の表面に、研磨剤である砂を落下させ、摩耗状態を調べるものになります。一方、ティバー摩耗試験機の場合、水平に回転する円形の塗板の表面に2個の摩耗リングによって荷重をかけながら塗膜を摩耗させるもので、その変化を塗板の重量変化で確認します。《平滑さ試験》
塗膜の平滑さは別名でレベリングというもので、塗装したのち塗料が流動して、平らでなめらかな塗膜ができる性質であります。
この性質を調べる試験は、特に標準化したものはありませんが、一般に塗膜の平滑さは、塗膜の外観を調べるときに調べるもので、はけ目、ゆずはだ、うねりなどの高低の多少、大小によって判断します。《厚さ試験》
塗膜の性質を調べる試験のうち、重要な性質の1つとして塗膜の厚さを調べることであります。塗装の目的である美装ににしろ保護にしろ一定の塗り厚さがない場合、塗膜の物理性能、化学性能ともばらついた性能になってしまいます。
調べる方法としては2つに分けられ、塗装直後の塗膜が未乾燥の状態で調べる場合と、乾燥した塗膜において調べる場合があります。
塗装直後の場合は、円形のウェットフィルムゲージをまだ乾燥していない塗膜面にころがし、ゲージの測面に付着した位置で判定する方法があります。
一方、乾燥塗膜の場合、主に鉄面に塗装された塗膜について、電磁式測定法によるものでエルコメーターや、ケット式などの携帯用が用いられます。