《粘度》
塗料の粘り度合いをいい、粘ちゅう度ともいわれます。粘度とは一口にいっても各種の性質があり、塗料の作業性、貯蔵安定性などに対してももっとも重要な塗料の性状であります。
塗料の粘度には、その塗料に力を加えると粘度が急に低くなり、、また、力をとりのぞくと粘度が高くなるチキソトロピックという性状や、逆に力を加えると粘度が高くなり、力をのぞくと粘度が低くなるダイラタンシーといわれる粘度の性状があります。
これらの粘度の性状の違いは、塗装作業性に関して、チキソトロピックは、はけさばきはかるく、だれを生じにくいがはけ目を生じやすく、ダイラタンシーの性質を持つ塗料ははけさばきはおもくてだれやすいが、はけ目の少ない塗膜を形成します。
このように粘度は、塗装の面からだれないで美しく均一な塗膜を形成するのに重要な試験であります。その方法としては、Ku値で示されるクレーブドユニットストマー回転粘度計のように塗料中に入れた羽根の回転抵抗を知る方法や、フォードカップのように所定の穴から流下速度の秒数により判定する方法も行われています。また、粘度は測定する温度の影響を受け、温度が高いと粘度が低く、低いと高く出ます。