《耐屈曲性試験》
塗膜の柔軟性を表す性質として可とう性がありますが、金属面などに塗装して折り曲げたとき、塗膜に可とう性がないとひびが入ったり、はなはだしいときは剥離してしまいます。
このような塗膜の可とう性を調べる試験を屈曲性試験や曲げ試験といって、塗装された鋼板などの試験板を、塗膜を外に、素地の板を内にして丸棒に沿って180度折り曲げ、塗膜の割れの有無を調べます。この場合、丸棒の直径が小さいほど耐屈曲性があり、可とう性のある塗膜といえます。《付着性試験》
塗膜が被塗物表面に接着している強さの度合を付着性といいます。付着性には、素地に対してと、下塗り、中塗り、上塗りの各塗膜間の層間の場合もあります。
付着性は、塗膜の物理性能の中でもっとも重要な性能の1つであり、単に塗料の性質ばかりでなく、素地の表面状態、塗装条件、乾燥条件、塗装時の気象条件などによる影響を大きく受けます。
試験方法は塗料の種類、塗膜状態によって種々あり、一般に膜厚のうすい塗膜の付着性はJISに規定されているクロスカット法があり、カッターナイフで塗膜面に碁盤目にきずをつけその状態で判断する方法や、描画試験、エリクセン試験などがあり、厚膜形の吹き付け材に対しては塗膜面に鉄製のアタッチメントをエポキシ樹脂材で取りつけ、それを引張り試験機で剥がす試験などがあります。《衝撃試験》
塗膜が物体の衝撃を受けても破壊し、ひびわれを生じたりはがれない性質を耐衝撃性といいます。
耐衝撃性を調べる試験方法として代表的なものはデュポン式衝撃試験機を用いる方法と、おもり落下式試験機を用いる方法があります。
デュポン式はおもりの重さを落下距離を変化させ、定められた撃心を塗膜にあて、上からおもりを落下させ、塗膜の状態を調べますが、おもりが重く、距離が長く、撃心の径が小さいほど耐衝撃性がよいとされます。
落下式はJISで定められた重さのおもりを塗膜面に落下させるものになります。