電柱、街灯柱、歩道橋、壁、塀などにみさかいなく貼り付けられた宣伝ビラは市街地の警官を著しく損ねています。さらに、風雨にさらされて変色したり、部分的に剥がれたまま放置されているのは見るにたえません。このような張紙を除去するには人力で削り取るしか方法はありませんが、この方法では素材まで傷つけてしまいます。
張紙防止塗料は、ポリウレタン樹脂のように耐候性のよいビヒクルに、張紙が付着しないか、自然に剥離するか、小さい力で容易に除去できるようにするために、スリック剤(ワックス類)を配合したり、張紙との接着面積を小さくするためガラスビーズを配合したりしたものになります。
張紙防止には、金網を貼り付けたり、塩ビやポリエチレンシートを巻き付ける方法もありますが、施行作業性や耐久性に問題があります。これに対して、張紙防止塗料は塗装という簡便な方法で施行できることのほかに、性能面では張紙防止機能のほかに、素材の保護や素材に意匠性を持たせることができる特徴があります。景観を美しく保つ社会的な要請にこたえるものとして、ますます多く使用されていくものと考えられます。