粉体塗装の短所として特に留意する点は、液体塗料のようにろ過によってゴミブツなどの異物を除去できないこと、塗装現場で塗料の手直しが出来ないことが挙げられます。塗装ラインで不具合が発生した時の対処方法の一つとして、タンク内の塗料を入れ替えて新粉だけで塗装したり、別のロットの塗料に入れ替えて確認したりする手法も用いられます。
粉体塗装採用の利点として最も強調されるのは次の特長による塗装の合理化です。
①塗装の自動化が容易で省力化が図りやすい。
②塗料の使用効率が高く、ドライブースでの塗装と併せ、廃棄物を削減できる。
③1年を通じて色調・品質の安定した塗膜が得られる。
VOC対策だけでなく、省力化や廃棄物削減、塗装環境の改善が粉体塗装の大きなメリットです。環境対応型塗料は水系と粉体と言われて久しいですが、特にライン管理や塗装廃棄物処理を考えた場合には、粉体塗料は水系塗料に比べて大きなメリットを有しています。