忍者ブログ

塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

[PR]



×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ にほんブログ村 住まいブログ 塗装・ペンキへ にほんブログ村 環境ブログ 大気・水・土壌環境へ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村


窯業系サイディングの工場塗装仕上げ



初期の窯業系サイディングは、現場塗装用の製品が大多数を占めていました。塗装製品はモルタルを意識したリシン調のモノトーン仕上げであり、塗装方法は比較的単純なスプレーやフローコーター及びロールコーターが採用されていました。当時のテクスチャーは、フラット近似柄で模様深さは2㎜以内でした。
 その後、メーカー各社は意匠向上を目的に塗装設備を導入し製品開発に注力した結果、塗装板の出荷量が徐々に現場塗装用の製品を上回るようになりました。
 またテクスチャーも、その開発に合わせるようスタッコ、横目地、タイル、レンガ、木目、よろい調等、次から次に開発され、塗装仕上げはテクスチャーの凹凸に同調した意匠としたことや、深柄化を生かした陰影感のあるツートン塗装品が上市されたこと、色も従来主流の淡彩色から濃彩色へ拡大し、多種多様な仕上がり外観の製品が流通するようになりました。さらに、メーカー各社の新塗装技術の開発が進み、スパッタ塗装、カラービーズ入りクリヤー塗装、印刷塗装等の技術が確立され、自然界に存在するあらゆる素材を表現することが可能になりました。最近では、高意匠化を追求し、インクジェットプリンター印刷を採用した精密な意匠の製品や、その技術を活用しキャラクターを印刷する製品まで開発され、意匠性は飛躍的な進歩を遂げました。
 一方では、土壁を再現したようなモノトーン塗装によるシンプルな意匠も見直されてきたことや、基材を着色し、素材の持ち味を表現した製品も開発されました。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ にほんブログ村 住まいブログ 塗装・ペンキへ にほんブログ村 環境ブログ 大気・水・土壌環境へ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村


拍手[0回]

PR

窯業系サイディングとは



窯業系サイディングとは、主原料としてセメント・ケイ酸質原料、繊維質原料及び混和剤などを用いて成型した外装材のことで、1968年に外壁材市場に登場し、1980年代から急速に普及した建材になります。市場に参入した当初は、現場で塗装するも製品のみでテクスチャーについて単純な模様に目地切削を組み合わせた程度のものでしたが、市場拡大に合わせ多種多様なテクスチャーのものが開発されてきました。
 窯業系サイディングの成型方式は、原材料と生産条件に左右されるため、製造メーカー独自の方式となっています。成型方法は抄造方式と押出方式に大別され、さらに乾式や湿式及びプレス成型などの製法に分類されます。各々の製法の特長は、抄造方式は押出方式に比べ生産性に優れること、押出方式は板厚の熱い厚物成型が容易なことと中空形状が可能なため、軽量化が図りやすいことです。なお採用しているメーカーが多い成型方式は、抄造方式の方です。
 当初は縦張りの製品が主流でしたが、塗装板の普及とともに横張りへと移り、住宅スタイルの変化に合わせた木目、タイル、レンガ、石などの素材に似せたテクスチャーと、窯業系サイディングオリジナルのテクスチャーの開発が進められるようになりました。
 成型技術の開発による厚物化や深柄化により、本物に近いテクスチャーが開発され、さらに塗装仕上げとのマッチングにより一層高意匠化が図られるようになりました。メーカー各社は、商品の差別化や高意匠化を目指し深柄成型技術の開発を推進しています。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ にほんブログ村 住まいブログ 塗装・ペンキへ にほんブログ村 環境ブログ 大気・水・土壌環境へ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村


拍手[0回]

プレコート鋼板とクロメートフリー



環境負荷低減など環境に配慮した製品へのニーズが高まっており、プレコート鋼板においても例外ではありません。そのような視点からクロメート(六価クロム化合物)を含まないプレコート鋼板の開発が進められています。現在プレコート鋼板の下地処理と下塗り塗料には、クロメートを含む表面処理薬品や防錆顔料が広く使用されていますが、EUなどを中心に各種の規制がなされています。現時点では国内には製品そのものへのクロメートの使用を規制する法律はありませんが、有害性は認知され環境基準などには反映されており、いずれは何らかの規制が始まるものと予想されます。この動向に対応してプレコート鋼板のクロメートフリー仕様の検討が進められています。近年ではクロメートフリー化の鍵となるクロメートフリー防錆顔料とその塗膜への配合技術の開発が進み、外装用途としてのクロメート防錆顔料と遜色ない防錆性能が得られつつあります。
 ここで六価クロム化合物防錆機構を説明すると、クロメート顔料や前処理などから供給されるクロム酸イオンは金属表面で還元され、高分子化した水和酸化クロム層を形成し、下塗塗膜との密着性を向上させます。また、傷付きなどにより金属表面が露出した場合も、同様に不導体化した保護膜を形成します。これはクロム酸イオンによる自己修復機能と呼ばれています。またこれらの皮膜は腐食因子の侵入を抑制する効果も有しています。
 一方、クロメートフリー防錆顔料も六価クロムと同様に酸化力を有する物質に着目し開発が進められています。プレコート鋼板用としては、カルシウムシリケート系、五酸化バナジウム系などがクロメートに比較的近い防錆機構を得ていると考えられており、さらに水溶解特性やめっき鋼板の腐食が抑制できるpHなどを考慮した設計が加えられ、クロメートとほぼ同等の防錆性能を有する下塗り塗膜も開発されています。
 比較的腐食環境の緩やかな屋根曝露(雨がかかる環境)では、クロメートフリー仕様プレコート鋼板はクロメート仕様とほぼ同等の性能を有しています。さらにエスジーエルそ塗装基材として組み合わせることで、軒下などより厳しい腐食環境を想定した複合サイクル試験でもガルバリウム鋼板を基材としたクロメート仕様を大幅に上回る性能を得ることができています。
 このようにクロメートフリー仕様においても、塗装基材を適切に選択することで、様々な腐食環境に対応することが可能となっています。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ にほんブログ村 住まいブログ 塗装・ペンキへ にほんブログ村 環境ブログ 大気・水・土壌環境へ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村


拍手[0回]

広告リンク

ブログ内検索

忍者AdMax

楽天市場

ランキング

ランキング