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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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木材面の素地ごしらえ



木部塗装の場合には、木部を十分に乾燥させる(含水率に注意)とともに、ヤニ処理、穴埋め等の素地調整を行うことが必要です。

●素地調整上の注意事項

(1)表面に出ている鉄くぎ頭は、打ち沈め、木ネジ等はねじ込み、さびの出るおそれのある場合、(上に水性塗料を塗る場合など)は、穴埋め用パテを詰めたり、または該当するさび止め塗料で塗装します。
(2)汚れ、付着物は、木部を傷つけないように除去し、必要に応じて水または温湯で拭き、全面のほこりを清掃します。
(3)油類、すすなどは、拭き取った後、さらに揮発油などで拭き取ります。
(4)かんな目、逆目、けばなどは素地の材質に応じて研磨紙は#120~#240で面、角などを丸めないように、かつ軟質部をすりすぎないように平らにならします。
(5)浸出したヤニは小刀で削り取り、ヤニの多い部分(節まわりなど)は、加熱してヤニを浸出させ、揮発油拭きします。
(6)節止めは節まわり、ヤニの出るおそれのある部分(すぎ、まつ等の赤味部分など)にセラックニスを1回はけ塗りし、なお必要に応じてさらに2回目のセラックニス塗りをします。
(7)木の割れ目、虫穴、傷、すき間、深いくぼみなどは穴埋め用パテで埋めて表面を平らにします。
(8)透明塗料(たとえば、ワニス塗、クリヤーラッカー塗)の場合で、素材面にはなはだしい色むら・よごれ・変色がある場合には、必要に応じて漂白剤を用いて漂白します。漂白液を溶かすときは微温湯で溶かし、温かいうちにはけまたはスポンジで塗付け、漂白後は微温湯で洗い、完全に乾燥します。(24時間以上放置します。)漂白部分に色違いを生じた場合は着色剤を用いて、その部分のむら直しをします。

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コンクリート、モルタル面などの素地ごしらえ




 コンクリート、モルタル等の素地調整は、含水率、アルカリ分等に注意し、それらが十分低下したところで塗装することが大切です。

●素地調整上の注意事項

(1)素地の放置時間は一般には2~3週間以上、表面アルカリ度がpH10以下、含水率が10%以下になるようにします。ただし夏期や熱処理をする場合などは、この放置時間を短縮することが可能です。
(2)汚れ、付着物は素地に傷をつけないように除去します。水洗いした場合は十分に乾燥させます。
(3)吸水止めは、主として吸水の大きい気泡コンクリート、軽量コンクリート、軽量コンクリートブロックなどの面について吸水を抑えるために行います。とくに気泡コンクリートのように表面に脆い層がある場合には、これを補強する目的もかねて行います。
(4)素地の割れ、穴などをセメント、ブラスター、焼せっこう等で穴うめする場合は、周囲をよく水で湿したのち行います。
 屋外の場合は、セメント混入用の合成樹脂エマルションを混入して練ったセメントモルタル、セメントベース、市販のセメント系フィラー各種合成樹脂パテの耐水性のある高性能品を使用します。
(5)パテしごきは、コンクリート打放し面および気泡コンクリート、軽量コンクリートブロックなどの面について気泡などのくぼみをうめて平らにし、表面に過剰のパテを残さないように十分しごきとります。

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亜鉛めっき面およびアルミニウム面の素地ごしらえ



《亜鉛めっき面》

 亜鉛めっき面は一般に塗料の付着性が悪く、塗膜の剥離などを起こしやすいため、素地面を物理的、化学的に処理し、付着性を向上させることが必要です。

●素地調整上の注意事項

 新しい亜鉛めっき面は塗料の付着性が非常に悪いので、屋外に放置して雨露にさらし、素地表面を風化させた後、素地調整を行うのがより確実です。(素地の屋外放置は1ヶ月以上行うのが望ましい。)

《アルミニウム面》

 アルミニウムは素材独特の白色および特有の陽極酸化法発色(アルマイト発色)を意匠として生かしたサッシ、建具などのクリヤー仕上げと、素材の耐食性、加工性の良さを生かしたサイディング、カーテンウォールなどの着色仕上げが行われ、目的に応じて種々の素地調整が行われています。いずれの場合もアルミニウムじゃ亜鉛めっき面と同様、塗料の付着性が悪いので、化成皮膜処理や、エッチングプライマー処理を必要とします。

●素地調整上の注意事項

(1)アルミニウムの銀白色の生地感を強調するクリヤー仕上げ現地塗装の場合は、エッチングプライマー処理の工程を除いて、クリヤー仕上げを行います。(JIS A 4706)
(2)アルミニウム素材生地は空気酸化されやすく、無塗装または塗膜の剥がれ、劣化によって素地が露出したり、他の異種金属と接触したりする場合には、短時間のうちに表面に酸化被膜を作り、いわゆる白さびを発生します。この酸化物は素材内部への腐食進行は少ないのですが、塗料の付着力を大きく低下させます。したがって、現地塗装においてクリヤー塗装では、研磨後、直ちに塗装します。
(3)汚れ、付着物の除去の工程においては、素材が柔らかいので深い傷をつけないように注意します。

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