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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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塗装用器工具・機械および装置に関する欠陥




 塗装用機械及び装置に起因する塗装上の欠陥として起きやすい条件は、塗装法の種類によって異なりますが、スプレー塗装を主に考え列挙すると次の通りになります。
 ①スプレーの噴出量、スプレーパターンの調整が不十分なため塗装膜厚のむら、塗料の流れ、塗り残しを生じる。
 ②機械、装置の取り扱いが不適正なため塗りむら、ゆず肌の発生。
 ③機械の手入れ、洗浄不十分で、ごみや塗料のかたまりを十分ろ過せずに塗装したため塗面のぶつ、ピンホールの発生。
 ④エアスプレーなどに使われるコンプレッサーの空気源から発生するごみ、油などのドレンを十分抜かないためのはじき、ピンホールの発生。
 ⑤機械と塗料がマッチせず、スプレー粒子が粗すぎたり、パターン粒子分布が悪いためのゆず肌、ピンホール、わきなどの発生。
 このように機械装置の取扱い不十分のため、機械がスムーズに作動しなかったり、機械のために塗装の欠陥を作ってしまうことは比較的多いのです。特に注意しなければならないのは作業終了時の洗浄手入れと、作業開始時の塗料のフィルターの点検が重要になります。
 次に使われる器工具、機械装置の選択が適当でない場合、たとえばコールドスプレーに使用するように調合された塗料をホットスプレーで使用すると、スプレー時の溶剤の蒸発が多く塗装された塗面が乾きすぎてつやのないカサカサの塗面になる場合があるなど、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレーなどそれぞれの塗装法によって、それに適した塗料の調合、または機械の調整が必要となり、これらが適性でなければ塗装の欠陥を作る原因となってしまいます。

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塗料に起因する欠陥:沈殿、ぶつ、色わかれ



《沈殿》

 塗料の貯蔵中に主として、顔料が凝集を生じたり、また比重の高い顔料が粘度でささえることができない場合などに沈降して、展色材と分離し、沈降した顔料が撹拌によって容易に回復できずかたまってしまう現象をいいます。
 一般に顔料の含有量の高いつや無し塗料や、各種さび止めペイントなどに生じやすく、塩化ビニル樹脂エナメルのつや無し塗料もこれを生じやすい塗料になります。
 この沈殿を生じたまま、塗装すると配合のバランスがくずれており、所定の目的を達することができず塗装面の欠陥へと発展してしまう危険があり、十分撹拌して、均一になった状態で使用します。
 撹拌で容易に均一にならない塗料は使用すべきではありません。

《ぶつ》

 塗料中に顔料粒子が凝集したり、樹脂が反応したりして生じたつぶ状の粗大粒子が発生することを「ぶつ」といいます。
 ぶつの発生は塗料全般に発生しやすい現象でありますが、特に合成樹脂調合ペイントの場合は、展色材である調油性アルキド樹脂がドライヤと反応して生じることが多く、長期間貯蔵した塗料に発生することが多いです。ぶつが発生した塗料を塗装した場合、塗膜表面に不均一なぶつが発生し、光沢低下、色分離などを生じます。
 これらの発生したぶつは、うすめ液によって溶解することができず、塗料をろ過などの方法でぶつを除去しなければなりません。

《色わかれ》

 容器を開缶したときに、塗料中の顔料が分離して塗料表面の色がまだらになったり、塗料表面と下層の色が違ったり、斑紋を生じる現象をいいます。
 この現象は顔料の分散不良や再凝集によって生じるものでありますが、塗料を撹拌すると容易に均一になる場合と均一にならない場合があり、前者の場合は使用前に撹拌することによって使用可能でありますが、後者の場合は撹拌しても塗装すると色むらを生じるため、使用することができません。

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塗料に起因する欠陥:粘度変化、皮張り



《粘度変化》

(a)リバリング及びケーキング

 顔料を含んだ塗料がこんにゃく状に固まる現象をリバリングといいます。この現象が進行すると、ケーキ状に固化します。この現象をケーキングといいます。
 この現象を生じる原因は、顔料と樹脂の反応により生じるもので、たとえば亜鉛華、鉛丹などアルカリ性の顔料と酸性の樹脂の反応や、顔料の不純物による樹脂の重合などがあります。

(b)ゲル化

 貯蔵中に粘度が上昇し、撹拌してもまたうすめ液を使っても粘度が低下せずに、容器内でゼリー状に固化してしまう現象をゲル化といいます。
 ゲル化の原因は、樹脂の重合反応が進行したり、樹脂と顔料の反応などによって生じるものであります。また、これらの現象は、塗装中においても異種の塗料やうすめ液を混合した場合に、相溶性が悪く生じる場合があります。
 樹脂の重合反応の場合、貯蔵中に容器の密閉が不十分であると大気中の水分が侵入したり、酸素が侵入し、樹脂が反応してゲル化が進行する場合がります。
 塗料の中で水をうすめ液とする合成樹脂エマルションペイントの場合、低温時に塗料中の水が凍結してとけた後も、もとに回復しない場合もあります。したがって、これらの現象に対しては、塗料メーカーの指示による貯蔵方法に従い、注意しなければなりません。

《皮張り》

 皮張りとは、貯蔵中に塗料容器の中で塗料表面に乾燥した皮を張る現象をいい、酸化重合型の塗料である油性ペイント、合成樹脂調合ペイント、油性ワニスなどに生じやすい欠陥になります。
 発生する原因は、塗料表面で酸素が吸収され、表面酸化重合を生じ乾燥して皮を張るもので容器の密閉が不十分であったり、容器内に塗料中のドライヤが過剰に添加されている場合などに起こりやすい現象です。

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