塗装用機械及び装置に起因する塗装上の欠陥として起きやすい条件は、塗装法の種類によって異なりますが、スプレー塗装を主に考え列挙すると次の通りになります。
①スプレーの噴出量、スプレーパターンの調整が不十分なため塗装膜厚のむら、塗料の流れ、塗り残しを生じる。
②機械、装置の取り扱いが不適正なため塗りむら、ゆず肌の発生。
③機械の手入れ、洗浄不十分で、ごみや塗料のかたまりを十分ろ過せずに塗装したため塗面のぶつ、ピンホールの発生。
④エアスプレーなどに使われるコンプレッサーの空気源から発生するごみ、油などのドレンを十分抜かないためのはじき、ピンホールの発生。
⑤機械と塗料がマッチせず、スプレー粒子が粗すぎたり、パターン粒子分布が悪いためのゆず肌、ピンホール、わきなどの発生。
このように機械装置の取扱い不十分のため、機械がスムーズに作動しなかったり、機械のために塗装の欠陥を作ってしまうことは比較的多いのです。特に注意しなければならないのは作業終了時の洗浄手入れと、作業開始時の塗料のフィルターの点検が重要になります。
次に使われる器工具、機械装置の選択が適当でない場合、たとえばコールドスプレーに使用するように調合された塗料をホットスプレーで使用すると、スプレー時の溶剤の蒸発が多く塗装された塗面が乾きすぎてつやのないカサカサの塗面になる場合があるなど、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレーなどそれぞれの塗装法によって、それに適した塗料の調合、または機械の調整が必要となり、これらが適性でなければ塗装の欠陥を作る原因となってしまいます。