▽鉄・クロムブラック顔料(複合酸化物系)
鉄・クロムからなる黒色顔料で色相はやや赤みの黒色。他の無機系黒色顔料と異なり、可視領域の光は吸収しますが、赤外線領域は反射性が良好であり、比重:5.0~5.2、吸油量:10~20cc/100g、pH5~7、コランダム型結晶構造で高隠ぺい力、耐熱性、耐薬品性、耐候性に優れた堅牢度の高い顔料です。着色力は小さいです。
▽赤外線遮蔽酸化チタン
白色粉末で、結晶形態は主にルチル型です。
Mie散乱理論より光の波長の1/2に相当する粒子径を持つ粒子は光散乱効率が高いです。そのため、赤外線遮蔽酸化チタンは太陽光線中に含まれる赤外線の波長の1/2にほぼ相当する粒子径400~2000nmに調整されています。
したがって、太陽光線中に含まれる赤外線を効率よく散乱します。
[太陽光線中には赤外線が約50%、可視光線が約48%、紫外線が約2%含まれています。太陽光線中に含まれている赤外線の波長領域はおよそ800~3000nmです。
元々、酸化チタンは紫外線と可視光線の波長領域に吸収が少なく、白色顔料で最も屈折率が高いため光散乱効率が高いです。]
チタン白と同様に、耐候性、耐光性、分散性などの品質を向上する目的で、アルミナなどの水和物で粒子表面を被覆しています。親油化や疎水化、流動性付与、帯電性付与など機能性をより改善するために有機物を表面に処理することも可能です。