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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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【塗膜の組成と付着性】橋かけ効果



橋かけ型塗膜では、橋かけ密度によって付着性はかなり左右されます。一般に付着性は、最初のうちは橋かけの進行とともに塗膜の凝集力が大きくなるので増加しますが、過度に橋かけが進行すると、内部ひずみが増大するなどの付着障害が増して、かえって付着性は低下します。
 アミノアルキド樹脂塗膜の場合、焼き付け温度が上昇すると、アミノ樹脂濃度の大きい塗膜の付着強度は低下し、逆にアルキド樹脂濃度の大きい塗膜の付着強度は増大します。また、付着強度の最大値は、100~150℃の焼き付けのときはアミノ樹脂濃度20~30wt%付近に現れます。
 一方、メラミンアクリル樹脂塗膜の場合、付着強度はメラミン樹脂濃度20wt%付近で最大となり、また、焼き付け温度が150℃のときに最大となります。
 付着強度は、塗膜の被塗面への付着力と、塗膜自身の凝集力のバランスとして現れ、いずれかの弱い方で破壊するので、付着強度が大きくなるためには、付着力と凝集力とが両方大きいことが必要であります。したがって、橋かけ型塗膜では塗膜組成や硬化条件によって付着性は変化し、付着強度に極大値が現れ、最適な配合組成と硬化条件が存在します。

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【塗膜の組成と付着性】可塑効果



《収縮応力の低下》

 高分子に可塑剤を混合すると付着性が向上することがありますが、これは、塗膜のぜい性を緩和して、内部ひずみを低下させ、あるいは極性分子の被塗面への配列を容易にさせるためであるといいます。例えば、ニトロセルロースにしょう脳を添加した場合、しょう脳添加量の増加に伴って収縮応力が減少し、付着強度が増大します。ニトロセルロースやアミノ樹脂に対する油変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂に対するポリアミド樹脂の添加は、いずれも塗膜のぜい性の緩和と付着性の改善のためで、粘弾性的には、これら高分子可塑剤と考えてよいのです。

《可塑剤添加量には最適値がある》

 しかし、可塑剤の添加量が多すぎると塗膜を軟化させて、かえって付着性は低下します。例えば、アドヘロメーターで測定したときのアルミニウムに対するラッカーの付着性に及ぼすジブチルフタレート(DBP)の影響についてですが、ニトロセルロース、エチルセルロースいずれの場合にも、DBP量が10~15%のときに付着量が最大になり、それ以上に添加量が増すと、かえって付着量が減少します。

《可塑剤と相溶性》

 また、相溶性の悪い可塑剤を混合すると、付着性が損なわれてしまいます。下表はニトロセルロースに付着強度に対する可塑剤効果を示したものになります。しょう脳は理想的な可塑剤で、付着に良い効果を及ぼし、トリクレジルホスフェート(TCP)は相溶性のよい可塑剤ではありますが、しょう脳には及んでいません。ひまし油は相溶性がなく、単に微粒子分散するだけの軟化剤で、付着界面に浸出して付着を阻害する傾向があります。


表.ニトロセルロース/可塑剤系塗膜のジュラルミンへの付着強度
添加量しょう脳TCPひまし油
 0% 14kg/㎝^214kg/㎝^214kg/㎝^2
20% 61kg/㎝^214kg/㎝^214kg/㎝^2
40%109kg/㎝^217kg/㎝^2 3kg/㎝^2
60%104kg/㎝^261kg/㎝^213kg/㎝^2

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架橋(cross link, cross linkage, bridge forming)



架橋とは、主に高分子化学においてポリマー同士を連結し、物理的、化学的性質を変化させる反応のことであり、鎖状高分子を橋かけ構造に形成させるために必要な化学物質のことを架橋剤(cross linker, cross linking agent)といいます。
 2液型の液状エポキシ樹脂塗料やウレタン樹脂塗料などでは、樹脂は溶剤に溶解または希釈剤中に分散しており、これらの溶剤や希釈剤が塗装後に揮発すると、樹脂が液状で膜になり架橋剤(エポキシ樹脂塗料ではアミン、ウレタン樹脂塗料ではイソシアネート)などにより反応が起こって個体の塗膜になります。架橋剤(硬化剤)は塗装直前に混ぜて、樹脂の反応を開始させたり、それ自身が樹脂と反応したりして塗膜を形成します。
 メラミン樹脂(正しくはアルキド・メラミン樹脂塗料と呼ばれる焼付け塗料)では、アルキド樹脂が樹脂本体の高分子鎖を形成し、メラミン樹脂は熱時架橋剤として作用します。光沢のある焼付け塗料として自動車や電気製品などに広く利用されます。

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