架橋とは、主に高分子化学においてポリマー同士を連結し、物理的、化学的性質を変化させる反応のことであり、鎖状高分子を橋かけ構造に形成させるために必要な化学物質のことを架橋剤(cross linker, cross linking agent)といいます。
2液型の液状エポキシ樹脂塗料やウレタン樹脂塗料などでは、樹脂は溶剤に溶解または希釈剤中に分散しており、これらの溶剤や希釈剤が塗装後に揮発すると、樹脂が液状で膜になり架橋剤(エポキシ樹脂塗料ではアミン、ウレタン樹脂塗料ではイソシアネート)などにより反応が起こって個体の塗膜になります。架橋剤(硬化剤)は塗装直前に混ぜて、樹脂の反応を開始させたり、それ自身が樹脂と反応したりして塗膜を形成します。
メラミン樹脂(正しくはアルキド・メラミン樹脂塗料と呼ばれる焼付け塗料)では、アルキド樹脂が樹脂本体の高分子鎖を形成し、メラミン樹脂は熱時架橋剤として作用します。光沢のある焼付け塗料として自動車や電気製品などに広く利用されます。