重ね塗り適合性とは、JIS K 5500(2000)「塗料用語」によれば「乾燥してできた塗膜の上に、同じ塗料を塗り重ねたときに、塗装上の支障が起こらず、正常な塗り重ね塗膜層が得られるための塗膜の性状。」と定義されています。防食塗装の場合、鉄素地の防食下地として
ジンクリッチペイントを用い、環境遮断性に優れるエポキシ樹脂塗料を下塗りに、耐候性の優れるふっ素樹脂塗料を上塗りに使用するなど、様々な特徴を有した塗料を組み合わせて塗装系として使用します。この場合、それぞれの塗料の組み合わせにおいて問題なく塗り重ねることができ、さらに早期に剥離などの不具合を生じないことが重要であり、注意する必要があります。適切でない組み合わせで塗り重ねた場合には塗装時の下地塗膜の再溶解やリフティングや塗装後の早期での組み合わせた塗膜層間での塗膜剥離などの不具合が生じる場合があるので、塗り重ねてはなりません。
基本的には鋼道路橋塗装・防食便覧などの規格に定められた塗装仕様や塗料メーカーの示す塗装系に従うのがよいでしょう。