塗膜に適当な顔料を定量配合すると付着性が向上することが、経験的に知られています。
一般に、高分子/顔料配合系の強度は顔料濃度に対して極大値を示すといわれており、付着性の場合にも、顔料の種類によって付着強度が極大になる顔料濃度は頃なりますが、一つや二つの例外を除いて、いずれの顔料を添加しても極大曲線を示しています。極大値のあらわれる理由を簡単に説明することは難しいですが、塗膜の弾性率補強効果、顔料添加による内部応力の増減や内部欠陥の発生などのいろいろな効果の総合的な結果の表れといえるでしょう。
概していえば、軟質ビヒクルへの顔料添加は付着性を増大しますが、硬質ビヒクルに顔料を添加すると内部応力が増大し、ぜい性を増して、かえって付着性を悪化する傾向があります。