▽プレコートメタル用熱硬化性アクリル樹脂塗料
プレコートメタル用塗料に要求される性能は、加工性、耐候性、耐食性であることから、主にメタクリル酸高級アルキルエステルとアクリル酸エステルを用いた可とう性があって、破断強さの高いアクリル樹脂が用いられます。架橋材としてメチル化メラミン樹脂を用います。焼付け乾燥条件は230~250℃で1分以内が一般的です。
▽シリコーン変性アクリル樹脂塗料
カラーアルミ、カラートタン、アルミニウム建材などの塗料は、非常に高度な耐久性が要求されるようになり、アクリル樹脂塗料自体、高い耐久性能を持っていますが、さらに耐久性を向上させる目的でシリコーンによる変性が行われます。変性方法としては、アクリル共重合物の中の水酸基と、メトキシ基を持つシロキサン(シリコーン中間体)のメトキシ基との反応、またはアクリル共重合物の水酸基と、水酸基を持つシロキサンの水酸基との反応などにより行うことが出来るとされています。シリコーン変性するとシリコーンの特性である耐水性、耐熱性、耐汚染性、耐寒性、耐候性などの性能が向上することが予測されます。
▽熱硬化性アクリル樹脂塗料の特性
熱硬化性アクリル樹脂塗料は、塗装後焼付けすることにより、架橋、硬化して三次元構造となり物理的にも、化学的にも丈夫な塗膜を形成するため、耐候性、耐薬品性、耐溶剤性、耐水性、耐汚染性に富み、加工性にも優れています。従来アミノアルキド樹脂塗料を使用していた家電製品、カラー鋼板などは熱硬化性アクリル樹脂塗料に切り換わっていますが、焼付け条件はアミノアルキド樹脂塗料に比べ高温であることが問題となっています。