エポキシ樹脂塗料にもちいられるエポキシ樹脂は、エピクロールヒドリンとビスフェノールAを原料として合成した高分子体で、”エピ-ビス”と略称される樹脂で、末端にエポキシ基があり、また、分子内に適度に水酸基があります。これらに 2種の官能基を利用して、多種多様の変性や、架橋反応を行うことができます。
重合度によって、分子量300~400程度の常温では液状樹脂から、分子量900程度の低軟化点の固形樹脂や、分子量1400程度の固形樹脂、あるいは分子量2900~3800程度の高軟化点の固形樹脂があります。
市販のエポキシ樹脂は重合度の異なった樹脂の混合物として生成します。
エポキシ樹脂は、硬化剤の選択により、常温硬化、加熱効果が可能であり、有機ポリアミンを硬化剤とするものは常温硬化および加熱硬化型となり、有機酸無水物を硬化剤とするものは加熱効果がが、アミノ樹脂を硬化剤とするものは加熱硬化型となります。この樹脂が塗料用樹脂として優れている点を挙げると次のようになります。
(1)ビスフェノール核を分子回転の自由なエーテル結合で結んでいるので、塗膜は強じんです。
(2)エポキシ基および水酸基が適当な間隔をおいて分布しているので、素地に対する付着性が優れています。
(3)エポキシ基および水酸基の存在により、架橋反応として多くの物質が使用でき、様々の性質が作り出せます。
(4)主鎖中にエステル結合がないので耐水、耐薬品性がよいです。
(5)フェノール性水酸基はエーテル化されているのでフェノール樹脂に比較して保色性がよいです。
にほんブログ村にほんブログ村