平坦で付着性の良い塗膜を作るために、下地塗料が用いられます。ラッカー下地塗料は、乾燥が速く、仕上げ塗装に速くかかれることから広く用いられています。反面塗装上のの注意を怠ると塗膜異常を発生することがありますので、注意を要します。
(a)ラッカープライマー
金属素地に直接塗られるものであるため、付着力の良いものでなくてはなりません。硝化綿としては、1/2秒、20秒硝化綿を併用し、折り曲げ付着性をよくするために、樹脂や可塑剤などを配合します。
ラッカープライマーはオイルプライマー、合成樹脂プライマーに比べて耐候性が劣りますが、速乾性のため、冬期または寒冷地のような乾燥の遅れる場合に使用されます。
(b)ラッカーパテ
クリヤーラッカーに多量の顔料を加えて練り合わされたもので、粘稠度が高く、塗装面の凹凸部をヘラ付けで修正するものです。オイルパテに比べ乾燥が速いですが、広い塗装面にはヘラ付けしにくいので、局部補正に用いられます。
(c)ラッカーサーフェーサー
硝化綿、樹脂、可塑剤、溶剤および顔料からなり、中塗りに適するような下地塗料で、プライマー工程、パテ工程の後、下地塗り仕上げ工程に用いられるもので、研ぎやすく、平滑な面を作り、上塗り塗膜の吸い込みも少ないものでなければなりません。乾燥は速いですが、オイルサーフフェーサーに比べ、肉持ちが少ないです。
一般にラッカー系下地塗料は、油性系下地塗料、合成樹脂系下地塗料に比べて乾燥が速く、作業能率は良いですが、塗膜の肉持ち、付着性、物理的性能はやや劣ります。