硬質樹脂状物質により変性することによって、油変性アルキド樹脂の長所である耐候性、付着性、可とう性などを生かしながら硬質樹脂から得られる高硬度、速乾性、光沢の向上などの性質をさらに付与させるものです。
(1)ロジン変性アルキド樹脂
ロジンの主成分であるアベチン酸が、アルキド樹脂の製造反応の際にアルコール基と反応してエステル化します。
すなわち、無水フタル酸と多価アルコールのポリエステル主鎖に対してロジン酸と脂肪酸がエステル結合によって側鎖を作ります。ロジン自体脂肪族炭化水素溶剤に溶けやすいので、ロジン変性アルキド樹脂もミネラルスピリットに良く溶けます。また、溶剤放れも良好で、速乾性、内部乾燥に優れ、硬度、光沢の良い塗膜を助成します。変性に使用するロジンの量は用とによって違いますが、あまり多く使用すると脆くなり耐候性が劣化します。
(2)フェノール変性アルキド樹脂
油変性アルキド樹脂の欠点である耐水性、耐アルカリ性を向上させるためにフェノール樹脂で変性します。フェノール樹脂を添加すれば、耐水、耐アルカリ性を向上させるとともに光沢、硬度が増大し付着性も向上します。欠点としては紫外線により紫外線により劣化しやすいので、下塗り塗料に用いられます。また、中油性、短油性アルキド樹脂と組み合わせて用いると耐薬品性、耐溶剤性に優れた塗膜が得られ、ドラム缶のライニングなど特に耐食性を要求されるプライマーに用いられます。