中油性、または長油性の乾性油脂肪酸変性アルキド樹脂を、ミネラルスピリット、トルオール、キシロールなどの溶剤に溶かしてワニス溶液を作り、これに耐候性、色調の良い顔料を練り合わせ、溶解して塗料液とし、これに乾燥剤として、鉛、コバルトなどの金属石けんを添加してエナメルとします。脂肪酸には、酸化乾燥型乾性油脂肪酸、例えば、あまに油、大豆油、サフラワー油、トール油脂肪酸など各種の脂肪酸が使用されます。一般に乾燥性は8~16時間くらいで硬化乾燥し、光沢のある強じん、付着性、耐候性、耐油性に優れた塗膜となり、耐水性、耐アルカリ性には弱く、また、経時により黄変する傾向があります。
主として、車両外板、機械、建築、船舶、橋梁などに用いられます。また、超長油性アルキド樹脂を用いたものは、中油性、長油性アルキド樹脂に比べると油分が多いため、塗膜の硬度や乾燥時間も若干劣っていますが、刷毛塗り作業の場合作業性が良く、調合ペイントとアルキド樹脂塗料との両者の長所を兼ね備えているため、一般建築用の塗料として広く利用されています。長油性アルキド樹脂をベースとした塗料は、一般調合ペイントと区別して合成樹脂調合ペイントと呼称されています。