▽ゾル用塩化ビニル樹脂
塩化ビニルゾル塗料に使用する塩化ビニル樹脂は、乳化重合法によって作られたペーストレジンで、粒子の径は0.1~2.0ミクロンと細かく、その重合度は1300~1800と高いです。
▽塩化ビニルゾル用可塑剤
可塑剤は塩化ビニルゾル塗料に流動性を与える主成分ですが、また、硬度、たわみ性、耐寒性、移行性、粘度、安定性などに影響を与えます。可塑剤の種類とその特性を次に示します。
DBP 相溶性
DOP 相溶性、耐光性、電気絶縁性
TCP 耐石けん水性、耐燃性、非移行性、電気絶縁性
DOA 耐寒性、耐光性、耐石けん水性
▽塩化ビニルゾル用安定剤
熱安定剤は塩化ビニル樹脂の熱、紫外線安定効果の他に、ゾルの流動特性、ゲル化性、耐硫化性、科学性、物理性にも影響します。普通塩化ビニル樹脂100に対して、0.1~6加えられます。鉛塩安定剤や含金属安定剤(金属石けん、亜鉛、カルシウムなどの金属塩安定剤)および2種以上併用して相乗効果を出した複合安定剤などが使用されます。その他含窒素系安定剤、有機スズ安定剤などもあります。
▽塩化ビニルゾル用溶剤
室温では塩化ビニル樹脂を溶かさないもので、ゾル粘度を下げたり、可塑剤量を減らす目的で希釈剤が加えられます。一般にプラスチゾルの粘度を下げる目的には、脂肪族炭化水素を10%以下加えられ、オルガノゾルには希釈剤のみの場合や、溶剤を併用する場合があります。添加量もプラスチゾルの場合より多くなります。