塩化ビニルゾル塗料は、熱エネルギーによって、ゾル―ゲル変化により塗膜を形成し、その溶融温度は約175~180℃にあり、その温度に達しなければゲル化溶融は進みません・また200℃を超すと徐々に熱分解し、変色し始めます。したがって、熱溶融温度と熱分解温度とが接近しているので、焼付け温度を十分に管理することが必要となります。また、オルガノゾル型は溶剤、希釈剤を含むため、塗膜厚の大きい場合には急激に加熱するとピンホールを発錆しやすくなります。通常170~190℃で3~10分加熱乾燥されます。塗料は高不揮発分のため1回塗りで100~1000ミクロン程度の厚膜が得られ、その塗膜性能は、高分子量の塩化ビニル樹脂が主体であることから、優れた物理的および化学的性能を発揮します。ただし、塗膜は金属との付着力は小さいので、強固に付着させるため、特殊な接着剤的なプライマーが必要になります。通常塩化ビニル―酢酸ビニルマレイン酸共重合体、アクリル、ウレタン樹脂などが用いられます。用途としては、塩化ビニル鋼板、めっきハンガー、カラーワイヤーなどがあります。