忍者ブログ

塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

[PR]



×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ にほんブログ村 住まいブログ 塗装・ペンキへ にほんブログ村 環境ブログ 大気・水・土壌環境へ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村


【顔料】着色顔料~有機顔料と無機顔料の一般論的比較



▽有機顔料は表面の極性が低く、無機顔料は極性が高いです。

有機顔料は水への濡れ性が劣り分散速度が遅くなります。

▽有機顔料は表面の酸性や塩基性の官能基が少ないです。

溶剤系において樹脂や分散剤との酸塩基相互作用による分散安定化が難しいです。
また、水性塗料中での分散では、樹脂や分散剤との相互作用は疎水性相互作用なので分散速度は低いものの、一度分散させてしまえば、塗料状態での安定性は比較的良好です。

▽無機顔料は、有機溶剤はもとより水のような高表面張力の液体でも濡れに問題が生ずることはありません。

▽無機顔料は表面に酸性や塩基性の官能基が多数存在します。

溶剤系での分散性は良好です。
また水系では、樹脂と分散剤との組み合わせによっては分散安定性が不十分で、表面の電荷に起因する不具合が生じる場合があります。

※カーボンブラックは無機顔料に分類されますが、上記の分散性の観点からすると、カーボンブラックの挙動は有機顔料と同等になります。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ にほんブログ村 住まいブログ 塗装・ペンキへ にほんブログ村 環境ブログ 大気・水・土壌環境へ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村


拍手[0回]

PR

塗料製造工程



(1)前混合

 タンクに溶剤、樹脂、顔料分散剤等、顔料分散に最小限必要な成分だけ投入して撹拌し、まず均一な溶液(分散ビヒクル)を作成します。これを撹拌しながら、顔料粉体をダマにならないよう徐々に投入し、全体が均一になるまで撹拌します。タンク内の混合液はミルベースと呼ばれます。次の顔料分散工程は塗料製造工程中で一番エネルギーや工数を必要とするので、できるだけ少量のミルベースで実施することが望ましいです。

(2)顔料分散

 前混合の終了したミルベースを分散機にかけて、所定の分散度(粒子径)まで顔料の微粒化を行います。分散度はJIS K 5600-2-5に従って評価し、終了時には固形分濃度は配合通りになっているか、流動性に異常はないかなどの工程検査が行われます。原色ペーストで調色が行われる塗料の場合には、工程検査で異常がなければ着色力などの追加検査、ろ過を行って貯蔵します。

(3)溶解

 分散の終了したミルベース(分散ペースト)をタンクに入れ、撹拌しながら、残りの樹脂や硬化剤、溶剤、添加剤を徐々に加えます。成分の添加忘れはないか、添加量は間違っていないかなどをチェックする意味で、固形分濃度や粘度を計測します。
 工程によっては、上記の成分が入っているタンクに分散ペーストを加えることがありますが、この場合には分散ペーストと溶解ビヒクルの濃度差による溶解ショックが生じやすいので注意が必要です。

(4)調色

 原色を混合して所定の色相に合わせます。アルミフレーク顔料やパールマイカ顔料などフレーク状の光輝顔料は、分散機にかけると顔料が破損したり変形したりしますので、この段階で加えます。フレーク状の顔料は溶剤に加えて、充分に撹拌して凝集を解いてから、添加します。

(5)ろ過・充填

 フィルター等を用いて塗料をろ過し、粗粒や異物を取り除きます。工程すべてに当てはまりますが、機械油のようにろ過では取り除けないような異物が混入すると、異物ハジキ・ヘコミの原因になりますので注意が必要です。最終的に所定の容器に充填して出荷します。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ にほんブログ村 住まいブログ 塗装・ペンキへ にほんブログ村 環境ブログ 大気・水・土壌環境へ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村


拍手[0回]

塗料の構成成分と役割《まとめ》



▽樹脂

具体例:天然樹脂、ワックス、合成高分子重合体
役割:連続膜を構成、被塗物への密着、水等の透過防止、顔料を保持

▽顔料

具体例:有機顔料、無機顔料、光輝顔料、体質顔料、防錆顔料
役割:塗膜に色彩や意匠性を付与、塗膜に基材隠ぺい性を付与、塗料の比重・流動性の調整、金属製被塗物のさびを抑制

▽溶剤

具体例:有機溶剤、水
役割:樹脂を溶解もしくは分散、塗料の粘度を調整、均質な塗膜を形成

▽添加剤

具体例:顔料分散剤、消泡剤、表面調整剤、増粘剤、防腐剤
役割:塗料性能(光沢、発色、光輝感など)の向上、塗料の安定性(顔料沈降、色相変化、腐敗など)の改善、塗装作業性(タレ、レベリング、霧化塗装時の微粒化など)の改善

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ にほんブログ村 住まいブログ 塗装・ペンキへ にほんブログ村 環境ブログ 大気・水・土壌環境へ
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村


拍手[0回]

広告リンク

ブログ内検索

忍者AdMax

楽天市場

ランキング

ランキング