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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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塗料用添加剤



 塗料の主要成分は樹脂、顔料、溶剤ですが、塗料の製造、保管、塗装、塗膜としての機能発現というステージを通じて、問題を生じさせないためには、これら主要成分のの働きだけでは実現困難です。
 このため、少量で特定の機能を発現する成分を添加し、これを添加剤と呼びます。多くの場合、目的とする機能に「~剤」をつけて呼ばれます。たとえば、顔料分散剤、消泡剤、表面調整剤などです。
 一つの添加剤が複数の名称で呼ばれることがあります。たとえば、塗料粘度(特に低ずり速度での)を増加させる添加剤が、増粘剤、揺変(ようへん)剤、レオロジーコントロール剤、チキソトロピー剤、沈降防止剤などと呼ばれます。
 付与したい機能ごとに添加剤が採用されるので、一つの塗料に含まれる添加剤の数が10種類を超えることや、一つの目的のために複数の添加剤が採用されることもあります。
 ごく少量で効果を発現するので、塗料への添加時には、あらかじめ溶剤で希釈しておいて添加する等、計量誤差やミスを小さくする工夫が必要になります。
 また、「効果は得られたが副作用が発生した」ということが珍しくありません。たとえば、消泡剤の選択で「消泡効果は大きいが、はじきが発生した」とか、顔料分散剤で「分散性は良くなったが、2液塗料のポットライフが短くなった」ということがあります。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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塗料用溶剤




 塗料における溶剤の役割は、被塗物や顔料を「ぬらす」ことと、樹脂や硬化剤などを「溶かす」ことであり、それぞれ表面張力と溶解性パラメータが重要な支配因子となります。単一種類の溶剤で被塗物に対する濡れ、バインダー樹脂、硬化剤の溶解性、塗装~塗着~乾燥・硬化までの粘度(流動性)調整など、複雑な制御を行うのは不可能です。このため複数種類の溶剤が併用されますが、このときには蒸発速度と沸点を考慮する必要があります。
 沸点が高いほど、蒸発が遅いのが一般通則でありますが、たとえば、シクロヘキシルアルコールとメチルイソブチルケトンは沸点が同じにもかかわらず、蒸発速度は圧倒的にメチルイソブチルケトンの方が速いです。アルコールとケトンのように化学構造が異なれば、必ずしも沸点と蒸発速度は相関しない場合がありますので、注意が必要です。
 塗料の製造から塗装現場まで、各種法規制にしたがって諸々作業が実施されることが重要です。溶剤に関係する主な法規として、消防法、大気汚染防止法、労働安全衛生法、毒物劇物取締法、化学物質管理促進法などがあります。個々の内容につきましては、インターネット当で閲覧可能でありますので、使用者が各自で確認することが必須となります。
 それぞれの法律に該当する溶剤は、指定された使用方法に従い、使用量・貯蔵量の届け出、製品への使用の事実と含有量の表示、有害情報と使用上の注意事項の表示をしなければなりません。

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塗料用顔料




 塗料の基本機能である被塗物の保護と美観の付与を実現するために、多種多様な顔料が使用されています。
 塗料が単一種類の顔料だけで構成されることはまれで、一般的には2~5種類程度の顔料が用いられます。顔料の混合により、単にその中間色を得るのみならず、それぞれの顔料の特徴を複合化することで、繊細で複雑な意匠の発現や、美しくてさびも出ないという多様な性能発現が可能となります。

1.着色顔料

 光の吸収や散乱により、塗膜に色彩や隠ぺい性を付与するために用いられ、有期と無機のものがあります。
 一般的に、有機着色顔料は色彩が鮮やかでありますが、耐光性や耐熱性などの耐久性が無機着色顔料に比べて劣ります。ペリレン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、イソインドリノン、イドインドリン、アンスラキノンは縮合多環式顔料と呼ばれ、フタロシアニン系顔料と共に比較的耐光性は良好です。無機着色顔料は耐久性能には優れますが、色彩の鮮やかさでは有機顔料に劣ります。ただし、白色の酸化チタンや黒色のカーボンブラックは無彩色ではあるものの、それぞれ白さや黒さは優れています。

2.体質顔料

 無機顔料の一種でありますが、無彩色で屈折率が低いので、塗膜中は透明あるいは半透明になります。このため、塗料を増量するコストダウンが配合の主目的になりますが、塗膜への硬度付与や衝撃緩和、塗料の粘度や比重の調整、原色塗料の着色力調整などのためにも用いられます。沈降性硫酸バリウムのように人工的に合成されるものもありますが、天然に産出される粘土鉱物や石灰岩を、粉砕・分級しただけのもの、さらに、必要に応じて精製や表面処理したものなどが用いられます。

3.光輝顔料

 顔料粒子が鱗片状の形をしており、被塗物表面と平行に配向すると、塗膜の明度や色調が塗膜を見る角度によって大幅に変化し、メタリック感やパール感などの意匠性を付与します。

4.防錆顔料

 さびを抑制するリン酸イオンやモリブデン酸イオンなどのインヒビターイオンを放出したり、塗膜下を塩基性雰囲気にすることで、被塗物(金属)の腐食を防止します。
 以前は鉛やクロムが主に使用されていましたが、その毒性のために現在では大幅に制限され、重金属を含まない顔料の開発が行われています。

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