塗料の主要成分は樹脂、顔料、溶剤ですが、塗料の製造、保管、塗装、塗膜としての機能発現というステージを通じて、問題を生じさせないためには、これら主要成分のの働きだけでは実現困難です。
このため、少量で特定の機能を発現する成分を添加し、これを添加剤と呼びます。多くの場合、目的とする機能に「~剤」をつけて呼ばれます。たとえば、顔料分散剤、消泡剤、表面調整剤などです。
一つの添加剤が複数の名称で呼ばれることがあります。たとえば、塗料粘度(特に低ずり速度での)を増加させる添加剤が、増粘剤、揺変(ようへん)剤、レオロジーコントロール剤、チキソトロピー剤、沈降防止剤などと呼ばれます。
付与したい機能ごとに添加剤が採用されるので、一つの塗料に含まれる添加剤の数が10種類を超えることや、一つの目的のために複数の添加剤が採用されることもあります。
ごく少量で効果を発現するので、塗料への添加時には、あらかじめ溶剤で希釈しておいて添加する等、計量誤差やミスを小さくする工夫が必要になります。
また、「効果は得られたが副作用が発生した」ということが珍しくありません。たとえば、消泡剤の選択で「消泡効果は大きいが、はじきが発生した」とか、顔料分散剤で「分散性は良くなったが、2液塗料のポットライフが短くなった」ということがあります。