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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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屋根用塗料




 屋根用の基材としては亜鉛鉄板(トタン)、スレート瓦、セメント瓦等があり、従来はトタン用として油性塗料が中心に塗装されていましたが、最近では耐候性を向上させたアクリル樹脂系塗料、さらには長期耐久性があり、メンテナンス期間を伸ばせるノンアスファルト系厚膜塗料が脚光を浴びるようになってきました。また無機質系の瓦に対しても塗装でき、長期耐久性のある有機・無機複合塗料も出現してきました。屋根用塗料を体系的に分類すると次のようになります。

●ノンアスファルト系厚膜塗料

 従来は油性、合成樹脂塗料調合ペイント系の塗料が主流をしめしていましたが、経日とともに光沢が低下し、もろくなってくる欠点を補うため、アクリル樹脂塗料がでてきました。しかし、市場の要求がメンテナンスフリーの方向性を示している今日、厚膜で長期耐久性のある塗料として、ノンアスファルト系厚膜塗料が脚光を浴びるようになりました。この塗料は塗膜がいつまでも軟らかいという特長があります。

●有機・無機複合塗料

 スレート瓦類でも上記同様、長期耐久性が要求されるようになり、スレート瓦の補強と断熱効果を上げる意味からも、この類の塗料が注目され始めています。

●ふっ素樹脂塗料

 長期耐久性ということで、最近最も注目されているのがふっ素樹脂塗料であり、各分野へ幅広く使用されていますが、上記有機・無機複合塗料の上塗として組み合わせることでメンテナンスフリー塗料も可能となります。

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外装用塗料




 建築物の高層化やプレハブ工法の出現に加え、工期の短縮、品質の確保、市街地での現場作業の困難等の増加などに伴い、最近の建築物外観は、PC板、ALC板、金属パネル、スレート板など、工場で生産、加工される構成材や部材に置き換えられる傾向にあります。

《外壁用塗料とその動向》

 建築物の使用目的、構造、立地条件などにより多少は異なるものの、外壁用塗料とその動向については次のようなことがいえます。
 ①建築物の高層化あるいは大気汚染の進行に伴い、より一層耐久性、耐汚染性などに優れるとともに、容易にメンテナンス(補修、塗り替え)が出来る塗料と塗装工程が重要なものとなっています。
 ②意匠やテクスチュアなどの仕上がり外観においても、建築物と環境の調和を図りながら、たえず斬新なものが求められており、従来の砂壁状吹吹付材(リシン)やアクリルエマルション塗料仕上げから複層仕上塗材(吹付タイル、弾性タイル)仕上げに代表されるふっ素、シリコン、ウレタン仕上げなどの高級化への傾向が見られます。

《セメント系外壁材の下地とその調整》

 外壁の塗装においては、耐久性に優れた塗料と塗装系を選択することはもちろんのこと、その下地の性状について十分知った上、塗装に適切な下地(素地)調整を施すことが非常に重要であります。

●現場打ちコンクリート

 現場打ちコンクリートの一般的な組成としては、セメント1、砂2、砂利3、水0.6からなり、その工法も現在はベニヤ型わくが主流になっています。実際の建物の場合、コンクリート面に直接塗装されるケースは少なく、通常は樹脂モルタルによる下地調整面への塗装が大部分を占めます。
 コンクリート面に直接塗装する場合は、エマルション塗装の場合と同様に、水分とアルカリ度が十分消失してから塗装する必要があります。

●セメントモルタル

 セメントモルタルの組成としては、セメント1,砂2~3、水からなり、コンクリートの組成から砂利を除いたようなものであり、アルカリ度や水分はともにコンクリートに類似しています。
 一般的にはコンクリート面に約20mm程度の厚さにモルタルを塗布し、その仕上げ方法は大きく分けて、平滑な面に仕上げる金ゴテ仕上げと、リシン状の砂を露出した表面に仕上げるはけ引き仕上げの2通りがあります。
①塗装の下地としては金ゴテ仕上げが良い
 塗料とモルタルの物理的な接着性から見れば、下地としてははけ引き仕上げの方が適していますが、次に述べるレイタンス層がはけ引き仕上げの方が多いため、金ゴテ仕上げ仕上げの方が良いです。
②はけ引き仕上げの場合、水にしめらせたはけでモルタル面をはけ引きすると、モルタル表面の水分が多くなり、乾燥後レイタンス層(白い粉が吹いたような層)が出来る場合があります。このレイタンス層は強度がなく、また、塗料の性能をさまたげることがあるので、溶剤形シーラーを必ず塗装する必要があります。

●樹脂モルタル

 セメントモルタルに代わるコンクリート面の下地調整用として最近盛んに使用されてきており、施工目的としてはコンクリート面の素穴をを埋めたり、段違いを直すために部分的に使用する場合と、コンクリート面をうすく均一に全面コテで仕上げる場合とに分けられます。この場合も同様、水分、アルカリ度の消失を待って塗装する必要があります。

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内部壁の塗装について



《内部壁の素地ごしらえ》

 素地とは、これから塗装しようとする素材面のことをいい、塗装準備のために素地に対して行う作業のすべてを素地ごしらえといいます。素地ごしらえは塗装工程のうちで最も大切な工程です。いかに塗料の品質が良くても、また塗装方法が適切であっても、素地ごしらえが十分でない場合には、塗装効果があがりません。

《水分》

 コンクリートやモルタルの新設工事の場合、一般には施工後、3週間以上放置した後、塗装に入るのが適切とされています。これはコンクリートやモルタルの乾燥が3週間くらいで平衡状態になり、その含水率が8%前後となって水分の塗膜に対する影響力がほとんどなくなるからです。水分の含水率が高いと塗料が塗面から内部へ浸透できないため、物理的密着性は不良となります。
 この結果、ブリスター(ふくれ)やハガレ、クラック等の現象が起きます。また、素地の吸い込みがほとんどないため、塗装した塗膜の乾燥が極度に遅くなって、塗膜が流れる(タレ)現象が発生します。
 水分の測定にはKETTのコンクリート、モルタル用高周波水分計が用いられます。

《アルカリ》

 新設のモルタルやコンクリートは強いアルカリ性を示し、pHは一般に12以上であります。しかし、これらの強いアルカリ性も空気中の炭酸ガスと反応して。炭酸カルシウムや炭酸ナトリウムとなって表面から徐々にアルカリ性を失っていきます。
 内部のアルカリ性物質は中和されるのに長時間を要し、また中和化は表面ほど均一には進まないため、局所に濃度の高いアルカリが残留しやすいです。
 表面のアルカリ消失は水分と同様、約3週間で安定化し、壁材の呼吸で水分とともにアルカリ分が塗膜の表面に持ち出され、水分が揮散すると表面に白い粉が残り仕上がりを不良にします。これがエフロレッセンスという現象です。また、耐アルカリ性の悪い酢酸ビニル系エマルション塗料などは、この活性なアルカリに負けて変色を起こすことがあります。特にこの変色は水分のたまりやすい壁のコーナー部や下部に集中して起こりやすいです。いずれにしても、水分とアルカリ分は互いに相乗して塗膜の劣化を促進する危険があるので、十分な注意が必要であります。
 アルカリ度の測定にはpH試験紙または万年筆型の万能指示薬を使ったpHコンパレーターなどが用いられています。

《シーラー》

 素地調製が終わるとシーラーを塗布しますが、この目的は次の3つに集約できます。
 ①素地の内部からのアルカリ作用を抑制する・緩和する。
 ②素地と上塗りとの密着性を向上させる。
 ③塗面の吸い込みを防ぎ、刷毛塗り作業性を向上させ、色ムラつやムラを防止する。
 シーラーの種類としては水系と溶剤系があります。水系は②,③、溶剤系は①,②,③の目的を満足させます。一般的には溶剤系のシーラーの方が水、アルカリの影響を受け難く、また下地の粉化を抑え込む力があるので、塗りかえ用シーラーとしても巾があります。

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