南極観測船しらせのような氷海用の船舶の船首は、砕氷構造になっていてその部分の防食塗装には氷との衝突によっても損傷しないような強固な塗料が塗装されています。氷との衝突で損傷しないためには、塗膜は氷より硬いか衝突後に連絡して加わる力に対し破損しないだけの接着力と凝集力とが必要になります。このためには、カーボランダムのような硬い顔料と強度の高いエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂を組み合わせた塗料が使用されます。また厚膜に塗装するために無溶剤系塗料を、塗装機の先端で混合してスプレー塗装するいわゆる2液配分型塗装機で塗装することが多いです。標準塗装仕様は500~1000μmの1回塗りで、プライマーや防汚塗料を併用することもあります。