被塗物(正電荷)と塗料噴霧装置(負電荷)の間に静電界を形成し、塗料粒子を負に帯電させて噴霧すると静電引力により被塗面に吸着されます。これによって塗料のロスが減少し、塗着効率が向上します。
静電霧化方式と機械霧化方式に2大別されます。前者は遠心力によって塗料を薄層に広げ、これに電荷を与えて静電的な力によって微粒化するものです。塗装粒子は100%帯電していますので、塗着効率は非常に高いですが、被塗物の形状によっては、凸部、突出部などに集中的に塗着して膜厚にむらを生じ、補正塗装が必要となる欠点があります。後者はこれを静電界の中に送って帯電させる方法です。前者よりも塗着効率は低いですが、塗りむらが少なく、補正塗装が少ない利点があります。
手持ち式静電塗装器は作業者が手に持って使用するもので、印加電圧を低くし、安全対策が施されています。静電効果を下げて塗着効率はやや低くなりますが、機械霧化と人手による作業によって塗りむらを減じ、補正塗装を少なくする効果があるので、最近利用が増加しています。