建築塗装の目的は他の塗装の場合と同じく、保護と美装であることはもちろんですが、被塗装物の種類や接触する環境、使用の状態によって保護目的か、美装目的かに重点が変わります。
屋外の塗装は一般に耐候性を主とし、素材保護を目的とすることは言うまでもありませんが、意匠効果を求める場合には美装に重点を置かれる場合もあります。また、屋内塗装では保護はむしろ主要目的ではなく、美装に重点を置くことが多くなります。しかしながら屋内においても、その場所によっては塗料選定目的は異なり、たとえば水分に接触することの多い浴室、台所、便所などは十分な耐水性や防かび性をもたせるための塗料選定が必要であり、また化学工場のように種々の薬品雰囲気のある場所では、耐薬品性のある塗料を塗布し、素地を酸、アルカリ、油などの侵食からまもる必要があります。