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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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熱硬化性粉体塗料①



熱硬化性粉体塗料は、低分子量のポリマーを加熱することにより溶融して流動性を持ち、同時にポリマー骨格上にある官能基の間で架橋反応が起き、溶融、硬化が同時に進行して平滑な表面を形成します。したがって、軟化温度と硬化温度の間に大きな温度差があって、さらに貯蔵安定性の面からすれば、融点が高く、かつ溶融温度範囲が狭いことが望ましいです。熱硬化温度以下では、溶融粘度が低いことが最も望ましいです。一般に熱硬化性粉体塗料の塗装法は主として静電吹付け塗装法が適用され、素材にプライマーを処理することなく、直接塗装されることが多いです。

(1)エポキシ樹脂粉体塗料
 エポキシ樹脂粉体塗料が熱硬化性粉体塗料として最初のもので、静電粉体塗装法とともに実用化されたため今日の粉体塗料の発展があったものと考えられます。樹脂は溶剤型塗料と同様にビスフェノールとエピクロルヒドリとの縮合物が用いられ、この樹脂はコストが安く、各種各様のグレードのものができ、多数の硬化剤と反応する能力を持っていますが、エポキシ樹脂と硬化剤との組み合わせは、その塗膜の性能に大きく影響します。硬化剤は二種類あり、すなわちあらかじめ樹脂と混合して粉体塗料化するため常温付近では反応しない硬化剤と、多少反応性があって一部エポキシ樹脂と反応して、半硬化状態となり、塗膜はジシアンジアミド、三フッ化ホウ酸塩酸無水物などが用いられ、ジシアンジアミドは安価で性能に優れ、100℃以下では安定であるため最も使いやすいものになります。ただし硬化反応性が遅く、180℃~200℃で1時間の焼付けが必要になります。そのため硬化促進剤としてグアニジン、イミダゾールなどを併用して低温硬化させる必要があります。後者は芳香族アミン、脂肪族アミンが用いられ、塗膜の耐熱性、耐化学薬品性など優れていますが、貯蔵安定性が悪く、貯蔵中に硬化が進むことがあります。
 エポキシ樹脂粉体塗料は、ドライブレンド法と溶融ブレンド法により造られ、ドライブレンド法はエポキシ樹脂、顔料、充填剤その他の添加剤をまず加熱溶融して均一に混合し、これを冷却粉砕した後硬化剤をブレンドします。
 この方法では液状の硬化剤、エポキシ樹脂は使用できません。溶融ブレンド法は、硬化剤など全成分を加熱溶融して均一に混合するもので、液状のエポキシ樹脂、硬化剤が使用でき、ミキサーは温度コントロールできるものでなければなりません。一般にスクリュウエクストルーダーが適しています。
 エポキシ樹脂粉体塗料の硬化塗膜は硬くて、強じんで、耐薬品性、電気絶縁性に優れ、金属に対しても付着性が良いです。用途は耐水、耐食性に優れていることから、水道鋼管の内外面塗装、鉄骨材の塗装などに用いられ、電気絶縁用としてモーターのロータ、ステータ、アーマチューアなどにも用いられています。エポキシ樹脂粉体塗料は、保色性、耐候性が悪く、紫外線によりチョーキングしやすいので、屋外用には使用できません。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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